<ネパール>制憲議会選挙、開票続く カギ握る「毛派」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080411-00000164-mai-int

 【カトマンズ栗田慎一】ネパールの憲法制定議会選挙は11日も、各地で開票作業が続いている。焦点は、王制打倒を目指して武装闘争を続けてきた「ネパール共産党毛沢東主義派」(毛派)がどこまで議席を伸ばすかだ。最高指導者のプラチャンダ書記長は、大統領制を導入し初代大統領就任を狙うが、他の主要政党勢力は首相制を求めており、今後、政体をめぐる新たな政治闘争が始まりそうだ。

 ギャネンドラ国王の強権政治への反発から始まった06年4月の民主化運動で、毛派は武装闘争を停止し、初めて政治勢力として政治の表舞台に躍り出た。だが、その後の民主化プロセスでは、毛派は自らの主張を譲らず、最大政党のネパール会議派など既存の政党勢力を翻弄(ほんろう)した。

 主張の柱は、選挙前の王制廃止・共和制移行と、全選挙区への比例代表制導入だった。特定の地盤を持たない毛派は、小選挙区だけでは勝てないからだ。混乱から選挙は2度にわたって延期されたが、結局、暫定憲法には「選挙後初の制憲議会で共和制に移行する」との文言が盛り込まれ、事実上選挙前に王制廃止が確定。601議席のうち335議席比例代表となった。

 政党側には、毛派の主張を退ければ再び武装闘争に戻りかねないとの恐怖心があり、毛派の要求をのまざるを得なかった。

 会議派など主要政党は、当初は王制を存続したままの立憲君主制をめざした。一連の民主化プロセスの勝者は、王制廃止など自らの主張を押し通した毛派ともいえる。

 だが毛派は、ゲリラ戦にはたけていても、政治的手腕は未知数だ。「王制廃止」以外にどんな政策や理念を持つのか、はっきりしない。毛沢東主義派」を名乗るが、中国共産党は「無関係」を強調し、毛派を名乗ることを非難してきた。

 プラチャンダ書記長は選挙前、「民主化は大切だ。結果を受け入れる」と民主化勢力への転換を強調。幹部も「武装闘争には戻らない」と繰り返すが、武装闘争では約1万3000人が死亡し、経済の停滞や国土の荒廃を招いた。国民の毛派に対する反感や恐怖心は簡単には消えない。

 王制廃止が実現した後に、毛派が政治勢力として何を主張し、どのような国づくりのプランを示すかが、ヒマラヤの小国ネパールが安定に向かうか、混乱が続くのかを占うカギとなる。

 【ことば】◇ネパール共産党毛沢東主義派

 ネパール共産党から分派し地下に潜ったプラチャンダ氏=本名プスパ・カマル・ダハル=らが、96年に武装闘争を開始した。「農村から蜂起して都市を包囲する」との毛沢東思想を実践する、ペルーの武装組織センデロ・ルミノソなど南米左翼ゲリラの闘争スタイルを手本にしてきたとされる。「一党独裁」などのマルクス主義革命にはこだわらない柔軟な姿勢を示し、02年には党の合法化などを条件に、ギャネンドラ国王と直接和平交渉に臨んだこともある。

壊すだけ壊して、そうすれば今よりいいものが出来るだろうって無意識に考えるのが左翼なんでしょうか。

<ネパール>制憲議会選で毛派が第1党の勢い
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080412-00000071-mai-int
という記事もありますね。

ただ、過去の記事では
2006/05
複数政党による共和制目指す、ネパール共産党毛派幹部
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060509i316.htm

 【カトマンズ=太田誠】ネパール王制の打倒を目指して武装闘争を続けてきたネパール共産党毛沢東主義派の幹部がカトマンズ市内で読売新聞のインタビューに応じ、毛派が政権についた場合でも、一党独裁ではなく、複数政党制を採用するとの党方針を明らかにした。

 「諸悪の根源である王制を打倒し、ネパール人民共和国を樹立することが最終目標だ」。毛派の最高意思決定機関・中央委員会メンバーのグナラジ・ロハニ氏(40)はそう述べた上で、「中国やベトナムになるつもりはない」と言明、党として複数政党による共和制国家樹立を目指す考えを示した。複数政党制の採用は「2年前に党決定された」という。

 ロハニ氏はまた、「人民共和国」について、「インドのような共和国を考えてもらえばいい。大統領はいるが名目的なもので、ギャネンドラ現国王のような強大な権力を持ちえない制度だ」と説明。私有財産制や外国投資も認める方針を示した。

 ロハニ氏は、約50人からなる中央委員会のメンバー。元中学教師で、教育関連の組織方針を決定する権限を持つという。新政府が3日に毛派のテロ組織指定を解除したことで、地下活動家が徐々に姿を現し始めており、今回、同氏は、最高指導者の許可を得て初めて会見に応じた。

 毛派は、現憲法を即時廃止し暫定憲法を制定したうえで、毛派が参加した挙国内閣で制憲議会選挙を行うことを求めている。

 毛派に近い筋によると、毛派は現在、インド国境近くで、ロハニ氏を含む主要幹部約30人が秘密会議を開き、政府との和平交渉にあたる代表団選出を進めている。最高指導者のプラチャンダことプスパ・カマル・ダハル議長が自ら代表団を率いる可能性もあるという。

(2006年5月9日22時17分 読売新聞)

まぁもちろんこの記事読んだだけでは詳しい事まで分かりませんが、一応方針決めてるように感じるんですが。

中国は毛派を名乗る事を非難してきたと言うのですが、過去記事あさってみると確かに、
■中国がネパールに武器供与=新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051125-00000124-reu-int

 [カトマンズ 25日 ロイター] 中国は今週、ネパールに対し、反政府勢力のネパール共産党毛沢東主義派との戦闘を支援する目的で武器を提供した。地元紙が報じた。

 同紙によると、22日と23日に、トラック18台分の武器が中国からネパール国内に運び込まれたという。武器の種類については不明。

 これについて当局のコメントは得られていない。

 別の新聞報道によると、中国は今年6月にも戦闘車両5台を提供したという。

 これまでネパールに武器を提供してきた英米やインドは、今年2月にギャネンドラ国王が政権を掌握して以降、提供を中止している。
(ロイター) - 11月25日20時5分更新

と、ネパール支持なんですよね。

ただ今回のチベット動乱に関しては、
チベット問題、中国がインドに「感謝」+ネパールには批判。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080405/1207350391
とあったようにネパール批判なんですよね。中国毛派が勝ったらあっさり毛派に乗り換えるのではと言う気がします。