ベイルートの市街戦、ほぼ終息 ヒズボラ勝利で政府に打撃

http://www.cnn.co.jp/world/CNN200805100027.html

ベイルート(CNN) レバノンの首都ベイルートで過去3日間、続いていた親欧米のシニョーラ政権の与党勢力と、イランやシリアの支援を受けるイスラムシーア派組織ヒズボラ民兵との市街戦は10日、ヒズボラが与党勢力が支配的なスンニ派地域も制圧した後、ほぼ終息した。

ヒズボラは首都の大半を制圧した模様で、シニョーラ政権には大きな痛手となる。与党勢力はシリアをレバノンに戻す「クーデター」と非難、アラブ諸国などに介入を求めた。今回の衝突で、レバノン軍は事態がこじれることを理由に介入しなかった。

AP通信は同日、スンニ派地域で営まれた葬列に銃撃があり、2人が死亡、2人が負傷したと報じた。内務省などによると、これまでの衝突での死者は10日の犠牲者を除き21人、負傷者は86人に達した。

ベイルート西部ではヒズボラが路上に検問所を設置、警戒している。銃撃戦を制したヒズボラは政府系のテレビ局2局を封鎖、1局では火災が起きた。この2局は、暗殺された故ハリリ首相の息子で与党連合を率いるサード・ハリリ氏一族の経営。銃撃戦のあおりで国際空港も閉鎖された。

今回の衝突は、シニョーラ政権が、ヒズボラが独自に設ける電話通信網を違法とする決定を下し、ヒズボラのナスララ最高指導者がこれに反発、「戦争」を宣言したのがきっかけ。ただ、背景には与野党間でここ数年続く根深い角逐がある。

2005年には反シリアのハリリ元首相が暗殺されてシリアの介在が疑われ、同国は翌年に軍撤退に踏み切った。しかし、ヒズボラなど野党は、政権打倒のデモを続け、与党政治家の暗殺も多発した。また、昨年11月からは大統領不在が続いている。

同国では1990年に、犠牲者が15万人ともされる15年間の内戦が終わっているが、今回の衝突は同年以降、最悪規模の騒乱となった。

早く戦闘が終結したのはいいことかもしれませんが、やっぱりヒズボラ強いんですかね。しかし国軍(と呼ぶのにレバノン軍はふさわしくないのかな。どうも詳しくなくてすみません)が、「内戦」とまで報道されるような事態に介入しないのは不思議としかいいようがないですが、これも昨年11月からの大統領不在のため誰の命令を聞いたらいいのか分からないという事なんですかね。

しかしこれでシリアよりの野党がより有利になるんでしょうね。まぁヒズボラも選挙に出て議席も得てるわけですから、無条件に否定するわけには行かないでしょうけど、レバノンの将来としては不安定さが増すのではという気がします。

あと見出しですが『ヒズボラ勝利で政府に打撃』とヒズボラが政府に加わる資格が無いように書くのはどうかと思います。