<セルビア>米国との裏取引疑惑蒸し返す カラジッチ被告

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080801-00000026-mai-int

 【ハーグ(オランダ西部)福島良典】ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦(1992〜95年)で旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)から「人道に対する罪」などで起訴されている元セルビア人勢力政治指導者、ラドバン・カラジッチ被告(63)は7月31日の初公判で、ボスニア和平をめぐる米国との裏取引疑惑を蒸し返した。クリントン政権時代の米外交の舞台裏を暴く形で自らの主張を展開、戦犯法廷の「政治化」を狙った動きに出た。

 オリ裁判長は裏取引の具体的な内容に触れようとするカラジッチ被告を制したが、ボスニア和平をめぐっては以前から裏取引疑惑がささやかれてきた。内戦に終止符を打つ「デイトン合意」(95年)をまとめたホルブルック米国務次官補(当時)がミロシェビッチ元ユーゴ大統領との会談で、「カラジッチ被告が政治指導者の地位から退けば戦犯法廷に引き渡さないと約束した」という内容だ。

 ホルブルック氏は「全くのでたらめだ」と一貫して否定している。だが、カラジッチ被告の拘束後、裏取引の存在を指摘する関係者の発言が相次いでいる。被告の元側近はセルビア紙に「会談の席上、ホルブルック氏は取引を確認した」と語り、サチルベイ元ボスニア外相もオランダのテレビで「『取引』とは呼ばれなかったが、『合意』はあった」と説明した。

 カラジッチ被告は初公判で、裏取引の存在を強調して米国に揺さぶりをかける一方、
(1)不当に拘束され、3日間拉致された
(2)拘束時に電話連絡する権利を認められなかった
−−など「多くの不法行為」を列挙してセルビア当局の対応を非難した。

この問題後を引きそうですね。
セルビア>米国とカラジッチ被告の裏取引説…論争拡大
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080804-00000016-mai-int

 【ウィーン中尾卓司】ボスニア内戦(92〜95年)で「人道に対する罪」などに問われたセルビア人勢力元指導者、ラドバン・カラジッチ被告(63)と米国の裏取引疑惑をめぐる論争がセルビアで拡大している。被告は7月31日に初出廷したオランダ・ハーグの旧ユーゴ国際戦犯法廷で、ホルブルック米国務次官補(当時)と密約があったと主張。セルビアでは、裏取引に関する証言や情報が連日伝えられ、報道も過熱する一方だ。

 2日付のセルビア紙ブリッツは米情報筋の話として、米中央情報局(CIA)が電話の盗聴で、カラジッチ被告が2000年まで米国の保護下にあったと報じた。

 別のセルビア紙は「カラジッチ・ホルブルック合意」とされる署名入り文書のコピーを掲載。文書はカラジッチ被告が政府と政党の役職から退けば、少なくとも6年間保護する−−とした内容だ。いずれも密約の存在を認める形になっている。

 カラジッチ被告は、「ホルブルック氏は私が公の場から姿を消せば、国際戦犯法廷の訴追を免除すると約束した。だが、米国の思惑通りにならないと分かると私を抹殺しようとした」と主張。一方、内戦を終結させるデイトン合意取りまとめに尽力したホルブルック氏は裏取引疑惑について「まったくのでたらめ」と否定している。

 米国はコソボ紛争時の99年、北大西洋条約機構NATO)による空爆を主導し、コソボの独立を支援するなどセルビアにとって煙たい存在だった。セルビアでは民族派を中心に反米感情が残り、カラジッチ被告に同情的なムードが広がっている。

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文書のコピーとはどんなものなんでしょうね。イラク戦争のきっかけになった、素人でもwebで色々と調べれば偽と分かるだろうとか言われるようなものじゃなければいいんですが、6年間というのはリアルでもあります。しかし米国の思惑通りにならないと分かるとというのは何でしょうか。

親欧派の民主党が選挙で勝った時点で、アメリカの思惑とも一致していると思ったのですが… どちらかと言えば、EUはカラジッチ、ムラジッチの引渡しをEU加盟の条件にしていたと言う事ですから、EU加盟に勢いがついた今、民族主義的な、カラジッチ、ムラジッチ、擁護の力は弱まり、厄介者を始末するいいチャンスと見ているような気がします。