テロとの戦い、核管理はどうなる ムシャラフ大統領辞任で

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080818-00000972-san-int

 【バンコク=菅沢崇】パキスタンムシャラフ大統領が約9年間にわたる政権の幕を自ら下ろした。米国を実質的な後ろ盾に「テロとの戦い」に臨んだ姿勢は、欧米諸国から高く評価された。しかし、今年2月の総選挙での惨敗以後、辞任の時期が焦点となっていた。ギラニ連立内閣が大統領弾劾への動きを強め、その圧力によって退陣に追い込まれたことを受け、対米路線を含む今後の国家の方向性は不透明さを増している。

 ムシャラフ氏の辞任は、2001年以後、米国主導で行われてきた「テロとの戦い」の路線に今後、パキスタンがいかに対応するかや、イスラム諸国で唯一の核保有国であるパキスタンの核管理が保証されるか、などの懸念を、国際社会にに呼び起こしそうだ。

 今年2月の総選挙で勝利したパキスタン人民党(PPP)と、パキスタンイスラム教徒連盟シャリフ派(PML−N)などによる連立与党は、早々に武装勢力との対話路線を導入した。だが、北西辺境州やアフガニスタンとの国境付近の部族地域では依然、イスラム武装勢力タリバンが“統治”する村落もみられる。政府側は掃討作戦を展開してはいるが、めぼしい成果はあがっていない。

 7月にはアフガニスタンのインド大使館が自爆テロで攻撃され、約180人が死傷した。アフガニスタン側は、イスラム武装勢力の犯行であり、これにパキスタンの諜報(ちようほう)機関もかかわったとして、激しくパキスタン政府を非難した。アフガニスタンカルザイ大統領も、パキスタンからの越境テロが後を絶たない、と繰り返し批判し、対策を講じるよう求めており、両国間の信頼醸成も急務となっている。

 パキスタンの政局に詳しい地元のジャーナリストは、ムシャラフ氏の辞任について「米国も今後は容易に主導権を握ることはできない。建国以来、パキスタンではムシャラフ氏を含む4人の軍政支配の時期を除き、対米関係は安定していない。とくに次の政権では、米側は、軍と議会の主要政党のリーダーと個別に交渉していかざるを得ず、困難を極めるだろう」との見方を示す。

 カシミール問題でも、ムシャラフ氏がここ数年、基本としていたインドとの融和路線を、軍に影響力がほとんどない連立与党が安易に継続した場合、混乱を招く可能性もある。

 人民党とシャリフ派は反ムシャラフ大統領を旗印に結束を試みたものの、一枚岩ではない。ムシャラフ氏の後任の人選をめぐっても合意が得られていない。両党はもともと、「犬猿の仲」であるだけに今後、各施策をめぐり対立する可能性も否定できない。

 小麦など食糧の高騰や慢性的なエネルギー供給不足についても、早急な対処が政府に求められており、ムシャラフ氏辞任後の同国には課題が山積している。

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http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071116/1195246281
とありましたが、核兵器どうなるんでしょうね。

あと、
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では関係修復に向けていたと思いましたが、最近またアフガニスタンとの関係は良くないようですね。

あと、
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http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080629/1214743637
とありましたが、成果あげてないですね。まぁアフガンの治安の悪さから、成果があがっていないと言われるのかもしれませんが。