水と油?ウクライナと露のガス価格交渉

ウクライナ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081002-00000557-san-int

 【モスクワ=佐藤貴生】ウクライナティモシェンコ首相は2日、モスクワを訪れてプーチン露首相と来年の天然ガス供給価格に関する交渉を行う。段階的な価格引き上げを求めるウクライナに対し、ロシアでは現行の2倍以上に値上げすべきだとの声が上がるなど隔たりは大きい。グルジア紛争発生後、ウクライナ議会の親欧米勢力は分裂して迷走が続いており、ロシアが価格決定を先延ばししてウクライナの親露派勢力伸長のカードに使う可能性もありそうだ。

 ロシアは2年前、価格交渉決裂を受けてウクライナへのガス供給を一時停止し、同国経由のパイプラインでガスを受け取っていた欧州各国に影響が出た経緯があり、交渉の行方には欧州も注目している。

 ロシアは今年、ウクライナ向けガスを前年比約4割増の1000立方メートル当たり179・5ドルで供給しており、ロシア政府系ガス独占企業ガスプロムは来年の供給価格を400ドルまで引き上げる意向を示している。会談前日の1日には、「今月の欧州向けガス価格は500ドルを超える」との見通しを示してウクライナ側を牽制(けんせい)した。

 価格が400ドルに達すればウクライナ経済が大打撃を受けるのは必至で、ティモシェンコ首相は会談前、可能な限り値上げ幅を低く抑える決意を示していた。

 ウクライナ最高会議(議会に相当)はグルジア紛争でのロシア軍の行動の評価をめぐって親欧米勢力が分裂、議会選が前倒し実施される可能性も出ている。

 このため、ロシア側からは価格交渉を可能な限り引き延ばしして親欧米派のユシチェンコ大統領の政権基盤を揺さぶり、ウクライナ議会での親露派の勢力拡大を側面支援する腹づもりもうかがえる。

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ウクライナ>親欧米連立政権が崩壊 政治混乱、長期化も
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080916/1221570365
の最後の方で

元首相である同氏は、財政立て直しをはかり、天然ガス価格問題ではロシアと協議する方針を明らかにした。

ティモシェンコ氏は天然ガス価格の問題を取り上げていましたが、2年前というと
2006/01/01
露が輸出用のガス圧力を低下…ウクライナへ報復措置
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060101-00000311-yom-int

 【モスクワ=五十嵐弘一】ロシアの巨大ガス企業「ガスプロム」は1日午前(日本時間同日午後)、ウクライナへ輸出するガス・パイプラインの圧力低下に着手、供給量を減少させ始めた。ガス輸出は近く停止されるものとみられる。

 ウクライナが消費するガスのうちロシアからの輸入分は3割余りに上るが、ウクライナ政府・ガス企業は、冬季は不足分を備蓄取り崩しや国内生産分で補うことができるとして、国民に平静を呼びかけている。

 露側の措置は、ガスプロムが、2006年分の輸出価格を1000立方メートル当たり230ドル(05年は同50ドル)へと一気に4倍以上に引き上げることを要求したのに対し、ウクライナ側がこれを最終的に拒否したことに伴うもの。

 ロシアの値上げ要求は、ウクライナが04年末の政変でロシア離れし、親欧米派となったことへの報復とみられている

 ロシアのプーチン大統領は前日の12月31日、露側が求める新価格受け入れにウクライナが同日中に同意するなら、06年第1四半期は同50ドルの旧価格で輸出、新価格の適用は第2四半期からとする妥協案をウクライナ側に提案していた。

 インターファクス通信などによると、ガスプロムのスポークスマンは1日未明、ウクライナ側がこれに対する拒否回答を伝えてきたことを明らかにしていた。
(読売新聞) - 1月1日17時27分更新

ガスプロム、欧州向け天然ガスを増量
http://www.asahi.com/international/update/0103/005.html

 ロシアがウクライナ向けの天然ガス供給を停止したことに伴い、欧州へのガス供給が減少した問題で、ロシアの政府系ガス会社ガスプロムは3日、欧州向けの供給回復のため、パイプラインに送るガスを増量した。これにより、オーストリアハンガリーなどに対する供給は復旧に向かったが、同社は「増量したガスはウクライナ向けではない」と説明。ガス値上げをめぐるロシアとウクライナの対立は続いている。(時事)

ロシア天然ガス、欧州での供給量は回復へ
http://www.asahi.com/international/update/0103/009.html

 ロシアがウクライナ向けの天然ガス供給を停止したあおりでパイプライン下流の欧州各国に影響が広がった問題で、ロシアの天然ガス独占企業ガスプロムが2日夜にガスを増量した結果、欧州での供給量は回復に向かった。ウクライナは3日、ガスの価格交渉再開のため交渉団をモスクワに送ったが、両国の対立は続いている。

 またイタル・タス通信によると、ウクライナのユーシェンコ大統領は3日、やはりロシアにガスの供給を止められたモルドバのウォロニン大統領とともに欧州連合(EU)に対し、ロシアとの価格交渉で影響力行使を求める書簡を送った。

 ロイター通信によると、ハンガリーオーストリアのガス供給量は2日夜、通常値まで回復。ドイツでも3日朝、平常に戻った。EU議長国オーストリアのプラスニク外相は3日、EU全体として供給が回復したことを確認した。

 「供給が信頼できなければ、今後ロシアからの購入量を増やすことはできない」(ドイツのグロス経済・技術相)など消費国からの批判を受け、ロシア側が欧州との関係悪化を避ける判断をしたと見られる。

 しかし、ガスプロムは3日の記者会見で、ウクライナが1、2の両日、それぞれ1億立方メートル以上のガスを不法に抜き取ったと指摘した。

 これにウクライナ国営ガス会社「ナフトガス」の広報担当者は「事実ではない。ウソだ」と反発。ユーシェンコ大統領は2日、「ウクライナの立場の正当性を証明するためあらゆる手段に訴える用意がある」と述べ、国際調停機関への提訴も辞さない姿勢を示した。

ウクライナ向け天然ガス、露が輸出再開合意
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060104i113.htm

 【モスクワ=五十嵐弘一】ロシアが価格設定での対立から、ウクライナ向け天然ガス輸出を停止したことによる危機は4日、両国の再開交渉が妥結、収拾した。

 合意は、1000立方メートル当たり50ドルだったロシア産ガスの売却価格を同230ドルと露側要求通りに設定したものの、安い中央アジア産と混ぜ合わせて、実際の引き渡し価格を同95ドルにとどめるという苦肉の策で、露政府のメンツを立てる内容だ。

 交渉に当たったロシア政府系巨大ガス企業「ガスプロム」のアレクセイ・ミレル社長は同日、記者会見で、合意が「欧州への安定したガス供給を保証するもの」と述べ、危機が欧州連合(EU)諸国へのこれ以上のガス供給削減をもたらさないよう、妥協を強いられたことを示唆した。

 一方、ウクライナ国営ガス企業「ナフトガス」のオレクシー・イフチェンコ社長は、「ウクライナのガス需要を十分に満たすことができる」と述べた。

 ロシアはEU諸国向けにガスを送るため、ウクライナ領内を通過するパイプラインを使っている。露側がウクライナ側に支払っているパイプライン使用料は、これまで1000立方メートルのガスを100キロ送るのに1・09ドルだったが、同1・6ドルに引き上げられる。これにより、ウクライナ側は、ガス買い付け価格上昇に伴う衝撃をほぼ吸収できる見通しだ。

(2006年1月4日23時21分 読売新聞)

という事でしたが、今回はまたずいぶん上がったものですね。今後に注目と言う事で。