地位協定で米が修正回答=「最終案」と大使館−イラク

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081107-00000015-jij-int

 【カイロ6日時事】イラクからの報道によると、来年以降の駐留米軍の地位に関する協定で、イラク側が求めていた草案への修正に対する回答案が6日、イラク側に示された。

 在バグダッド米大使館はロイター通信に対し、この回答は「最終案」で「米側の手続きは終了した」と述べ、これ以上の修正は行わない考えを強調した。

 一方、イラク政府報道官は「共通理解に達するために米側との会合が必要だ」と指摘、米側とのさらなる協議を求める意向を示した。 

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イラクが修正案、米は反発=駐留軍地位協定、交渉長期化も

2国間の話がまとまるまで、待ってようかと思ったんですが、今までこの問題ちゃんと認識していなかったので、週末なんでまとめてみます。

まず、
2007/12
イラク駐留多国籍軍の任務延長=国連安保理
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071219-00000063-jij-int

 【ニューヨーク18日時事】国連安保理は18日、イラク駐留多国籍軍の任務を2008年末まで1年間延長する決議案を全会一致で採択した。決議は、イラク政府から求めがあれば、期限前でも多国籍軍の駐留を終結させるとしている。

 これより先、イラクのマリキ首相は安保理に書簡を送り、多国籍軍の任務延長を要請するのは今回で最後になるとの方針を表明。このため、次回の駐留期間延長は、米国など駐留軍の派遣国とイラク政府の間で個別に取り決めることになる可能性がある。

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安保理決議1790号採択で、2008/12には、多国籍軍イラクから出て行かないといけないので、この駐留延長の可能性を探り始めた。と思えるんですが、実は、それは違うんですね。なぜかというと2007/12より前に、

2007/06
半永久的なイラク駐留模索=「在韓」型モデル、地位協定締結も−米
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070602/1180800982

米軍の駐留、長期化不可避=イラクと協定締結も−多国籍軍司令官
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070618/1182165315
アメリカからの一方的な要望は出ていたようですし

イラクの合意も、
2007/11
<米・イラク>長期駐留へ向け交渉開始 首脳会議で合意
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071127-00000093-mai-int

 【ワシントン及川正也】ブッシュ米大統領イラクのマリキ首相は26日、テレビ会議を開き、両国間の長期的な関係構築に向けた交渉を開始する「原則宣言」で合意した。イラク駐留米軍の規模や駐留期間に関する交渉が柱となる。年明けから交渉を開始し、来年7月までの2国間協定の合意を目指すホワイトハウスが発表した。

 合意によると、年末に駐留期限を迎える多国籍軍についてイラク側は「1年延長」を求める意向。09年以降は駐留部隊の位置付けは「多国籍軍」から「米軍」に移行する。ブッシュ政権が従来、主張してきた在韓米軍をモデルとした長期駐留への転換点となる。

 ブッシュ政権は、現在の増派作戦で増員された米軍約3万人のうち戦闘部隊を来夏までに帰還させる方針を表明している。来夏以降の削減計画については来春にペトレアス・イラク駐留米軍司令官の報告を受けて検討する。

と、まあ来年7月までの2国間協定の合意は得られなかったわけですが。

あとは細かい上に外交上のやり取りなので闇の中なのですが、後学のためにでもなればという事で一応まとめておくと、
イラク首相>イラン訪問 米国との安全保障協定を協議
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080609-00000063-mai-int

 【テヘラン春日孝之】イラクのマリキ首相は7日、テヘランを訪問、8日にかけてアフマディネジャド大統領らと会談した。イラクと米国が締結を目指す安全保障協定を巡り、イランが「米軍駐留の恒久化につながる」と反発しているのに対し、マリキ首相は「イラクを、米国のイラン軍事攻撃の踏み台には使わせない」と述べ、理解を求めた

 イラクは昨年11月、今年夏までに米国と駐留米軍を巡る地位協定を結ぶことで基本合意した。米軍は現在、国連安保理決議に基づき駐留しているが、今年末に期限が切れるため、2国間協定で09年以降の駐留を可能にするのが目的だ。

 これに対しイランは、ラフサンジャニ元大統領が「イラク国民は協定締結を許さないだろう」などと非難。イランはこれまで「米軍の存在が治安悪化を招いた」として米軍の即時撤退を求めてきた。

 マリキ首相は今回、イランに「協定反対は内政干渉だ」と不満を伝える一方、イラク復興へのイラン企業の参入歓迎などの見返りを提示したとみられる。ただ、イラク政権内でも「協定は、イラクの国家主権を侵害する」と反対する動きが出ており、来年1月のブッシュ大統領の任期終了までに最終合意は困難との見方もある。

ここら辺はイラクとイラン間の政治の難しいところですね。

なぜなら、その前月の
2008/05に、
イラク治安悪化 窮地のマリキ政権、イランと「直談判」
http://www.asahi.com/international/update/0504/TKY200805030186.html

 【カイロ=井上道夫】反米宗教指導者サドル師率いる民兵組織マフディ軍との戦闘拡大に手を焼くイラクのマリキ政権が、友好関係を保っていた隣国イランに使節を送った。米軍はイランがマフディ軍に武器を供与していると非難。それを受けて、イランと直談判せざるを得なくなったとの見方が強い。米国とイランとの板挟みの中、マリキ首相は窮地に立たされている。

 治安悪化のきっかけは、3月25日に南部バスラで始まったマフディ軍掃討作戦。マリキ首相が現地で直接指揮をとる異例の展開で、民兵組織解体への強い決意を見せた。しかし、首相直系の治安部隊は逆にマフディ軍の激しい抵抗に遭い、戦闘は首都バグダッドにも拡大。米軍も戦闘正面に出ざるを得なくなった。

 この影響で昨年10月以降、50人以下で推移していた米兵の死者数は4月に52人(民間統計)に達し、イラク人の死者数も3〜4月にかけ2カ月連続で千人を上回った。

 イスラムシーア派主導の政権を率いるマリキ首相は、同じシーア派ながら政権を離脱したサドル師に対し、「マフディ軍を解体しなければ、10月の地方選挙にサドル派を参加させない」と迫った。しかしサドル師は応じず、米軍は、サドル師と、その背後にいるとされるシーア派の大国イランへの非難を強めた。

 治安回復に向けた力量不足を露呈してしまったマリキ首相は1日、国民議会のシーア派議員団をイランに派遣した。AP通信などによると、議員団は、イランの革命防衛隊の精鋭「アルクッズ旅団」が武器支援や軍事訓練を施していることを示す写真などを持参したという。

 イランのアフマディネジャド大統領は今年3月、イランの大統領として79年のイスラム革命以来初めてイラクを訪問し、マリキ首相と会談した。この友好関係をてこにマフディ軍解体への流れをつくる計算とみられているが、イラン外務省のホセイニ報道官は「イラクで続く紛争解決のために議員団との話し合いには応じる」と述べるにとどまった。

 AFP通信によると、議員団はイラン国内に滞在しているとみられるサドル師との面会を求めたが、同師は話し合いに応じず、「タラバニ大統領とマシュハダニ国民議会議長の主導でしか解決できない問題だ」と述べた。旧フセイン政権時代からイランとの太いパイプを持つ有力者を名指ししたことで、マリキ首相の指導力低下とイランの影響力が暗に示された形となった。

 今回の掃討作戦は、10月に予定される地方選挙に向け、サドル派に打撃を与えることが目的という側面もある。

 マリキ政権を支えるシーア派与党会派に加わるイスラム最高評議会(SIIC)は、サドル派と激しい勢力争いを続けており、多数の議席を確保すると予想されるサドル派の伸長を掃討作戦によって食い止めることは、マリキ首相の思惑とも一致している。

とありました。まぁ想像するしかない部分ではありますが。しかし、マシュハダニ氏はスンニ派だったと思うのですが、イランとパイプがあるような書き方ですよね。

2008/07には
イラク駐留米軍、兵力削減の目標明示へ 地位協定めぐり合意
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080719-00000900-san-int

 【ワシントン=山本秀也】米ホワイトハウスは18日、イラク駐留米軍の削減に関する「日程の展望」を示す方針を明らかにした。17日に行われたブッシュ米大統領と、イラクのマリキ首相のビデオ会談で確認し、イラク側への治安権限の移譲に伴い米軍戦闘部隊の余剰兵力を削減する計画の策定を両国が進める。

 米軍の増派を基調としてきたイラク政策が治安情勢の回復を受けて兵力削減に視野を移すものだ。ただ、計画は両政府が交渉を進めている米軍のイラク長期駐留に向けた地位協定に絡み策定され、米軍のプレゼンスにより地域の流動化を避ける基本方針は維持される。

 ビデオ会談で両首脳は治安回復の成果を確認し、
(1)イラク政府への治安権限移譲
(2)米軍戦闘部隊の削減
−などの目標に向けて日程協議を進めることで合意。日程をめぐっては「全般的な展望」と述べるにとどまり、具体的な期限や削減規模には踏み込んでいない。

 イラク駐留米軍に関しては今月末をめどに緊急増派されていた陸軍5個旅団などの削減が進行中。米誌ニューズウィークブッシュ政権の任期切れ直後となる来春までに、現状の約15万人から約5万人にまで大幅削減される可能性を報じた。

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2008/08
米軍の地位協定「合意近い」 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080822-00000084-san-int

 ライス米国務長官は21日、イラクの首都バグダッドを訪問し、駐留米軍をめぐる地位協定についてマリキ首相らと会談した。会談後、ジバーリ外相と共同記者会見したライス長官は「合意は近い」と語った。

 ロイター通信によると、イラク側担当者は「草案は完成した」と語ったが、イラク側が求めている米軍撤退の具体的な日程は草案では言及されていないという。一方、AP通信は、米軍が来年6月までにイラクの都市部から撤退することなどが盛り込まれていると伝えた。

 米軍のイラク駐留の法的根拠となる国連安全保障理事会決議が今年末で期限切れとなることから、両国は地位協定の合意を急いでいる。(カイロ 村上大介

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アメリカでさえイラクに残るのに苦労してるわけですから日本は
2008/09
イラク派遣の空自、撤収へ 国連決議、年内期限切れ
http://www.asahi.com/politics/update/0911/TKY200809110139.html

航空自衛隊イラク年内撤収の方針を明らかにする林防衛相=11日午前10時58分、東京都新宿区の防衛省、橋本弦撮影

航空自衛隊イラク年内撤収の方針を明らかにする高村外相=11日午前11時すぎ、外務省、遠藤真梨撮影

 政府は11日、イラクで空輸支援活動をしている航空自衛隊を年内に撤収させる方針を明らかにした。多国籍軍派遣の根拠となる国連安保理決議が年内で切れることに加え、米国がイラク駐留米軍の削減方針を打ち出したことなどを受けて判断した。04年から本格化した自衛隊イラク支援活動は、06年に陸自が撤収しており、空自の撤収で全面的に終えることになる。

 町村官房長官は11日の記者会見で、「改善しているイラク国内の状況にかんがみて、イラク特措法の目的が達成されつつあるとの認識を強めている。年内をめどに航空自衛隊の任務を終了させる方向で検討に入った」と述べた。

 また、高村外相は「イラクを支援しようという気持ちは変わらない。さらに復興支援をきっちりやっていきたい」と述べ、空自撤収後も政府の途上国援助(ODA)などの支援は継続する考えを強調した。

 イラクでの空自活動については、自民党総裁選に立候補している麻生太郎幹事長も10日の会見で、「イラクの現状を見た場合、イラクから空自を引き揚げる状況が作られつつある」と言及していた。

 イラクへの自衛隊派遣の根拠となるイラク復興支援特別措置法の期限は来年7月末までだが、特措法で自衛隊の派遣根拠にしている国連安保理決議は今年12月末で切れる。決議が切れても日本がイラク政府と地位協定を結べば、自衛隊の空輸活動は継続できる。ただ、イラク政府は自国による治安維持に自信を深めているうえ、国会承認が必要となる地位協定には、民主党の反対が必至だ。

 一方、米国も今月に入り、ブッシュ大統領イラク駐留米軍を来年2月までに約8千人削減する方針を示しており、こうした情勢を踏まえ、日本政府として、空自を年内に撤収させると判断した。

 政府がこの時期に撤収方針を明らかにした背景には、インド洋での給油支援活動の必要性を強調する狙いがあると見られる。町村長官は会見で「(国際社会は)アフガニスタンへの取り組みを強化している。我が国も積極的に取り組む必要がある。少なくともインド洋の補給支援活動を継続する必要がある」と語った。

 イラク特措法は米国などによるイラク戦争開始を受け、03年7月に成立。同年12月に空自の先遣隊をクウェートに派遣し、陸自部隊は04年2月からサマワで本格的な支援活動を開始した。06年7月には陸上自衛隊を撤収させたが、空自についてはC130輸送機による多国籍軍の物資や要員の輸送を継続していた。

と撤退決定なわけですね。

で、アメリカの努力は続きます。
2008/10
イラクが修正案、米は反発=駐留軍地位協定、交渉長期化も
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081028-00000211-jij-int

 【カイロ28日時事】イラク政府報道官によると、同国政府は28日の閣議で、来年以降の駐留米軍地位協定草案に対する修正案で合意、これを米政府の交渉担当者に送付することを決めた。ロイター通信が伝えた。

 AFP通信によると、国家安全保障会議NSC)のジョンドロー報道官は同日、「われわれは(現在の草案を)良い協定案と考えている」と語り、修正案の受け入れに強い難色を示した。

 イラクへの多国籍軍駐留を認めた国連安保理決議の期限が年末に切れるため、米国とイラクはその後の米軍駐留について定めた地位協定を協議してきた。交渉が年内に決着しなければ、米軍駐留の法的根拠が失われる事態に陥る。

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しかしこれは、新聞社の書き方の問題なのか、アメリカの政治家の考え方の問題なのか、イラクの事は最終的にはイラク人に任せるという気持ちが全く感じられない書き方ですね。

ちなみに小泉元首相の発言
2004/06
シーアイランド・サミット閉幕 地位上昇印象づけ 小泉首相に重い責任
http://www.sankei.co.jp/news/morning/12pol001.htm

シーアイランド・サミット閉幕 地位上昇印象づけ 小泉首相に重い責任

 イラクに安定した社会を作るのは、米国ではない」。十日(日本時間十一日)閉幕した主要国首脳会議(シーアイランド・サミット)の会合で、小泉純一郎首相はブッシュ米大統領の面前でこう言いきった。続けて「国連でもない、G8でもない。イラク人だけだ」。

 あくまでもイラク復興の主役はイラク人であるというわけだが、イラクに軍隊を派遣している米英両国とフランスなどの非派遣国とに溝がある微妙な雰囲気の中で、日本の首相としては、思いきった発言といえる。

 今回のサミットで首相はさまざまな場面で一定の地位の確保を印象づけた。

 議長声明の中に日本が強く主張した拉致問題を含む北朝鮮問題が盛り込まれ、経済討議ではブッシュ大統領の指名で冒頭スピーチを行った。記念撮影では日本の首相としてはめずらしく、中央の位置に陣取ったのもブッシュ大統領のはからいだった。米側が日本の主張を採用し、配慮の姿勢を示したのは「日本のイラクでの貢献が形を変えて評価されたもの」(同行筋)ともいえる。

 イラクへの自衛隊派遣など、今回のサミットは日本が他国並みの国際貢献に踏み出したことをアピールする場となり、それが結果として首相の発言力を強めたのは間違いない。

 しかし、地位の上昇は重い責任を伴う。

 首相はサミット閉幕後の記者会見で、多国籍軍への自衛隊参加検討を表明した。政府は、イラク主権移譲に関する新たな国連安保理決議を受けて、来週中にも閣議自衛隊派遣に関する政令を改正する。さらに、多国籍軍派遣についても早急に「(公明党など)与党と相談する」(首相)ことになる。もちろん、首相は多国籍軍参加にあたっての自衛隊の活動は「日本ができること、いわゆる人道復興支援」「日本は武力行使を目的とした部隊に参加することはない」として、憲法イラク復興支援特別措置法の範囲に限定することを明言している。

 しかし、自衛隊の活動と憲法上の問題には、正面から取り組まざるをえない場面が早晩訪れることは間違いない。

 例えば、イラクの治安が悪化し「非戦闘地域」とはいえなくなった際はどうするか。多国籍軍が治安維持のためにイラク国内に踏みとどまっても、その多国籍軍の一員であるはずの日本の自衛隊だけは法律に従って撤退することになる。日本の国際社会での発言力などは吹き飛んでしまう。

 それはそれで仕方がないという考え方も当然あるだろうし、逆に集団的自衛権、集団的安全保障ひいては憲法改正を視野に入れた議論を進めることもできる。自衛隊多国籍軍参加は重い課題を内包している。(サバナ 五嶋清)

まぁ小泉元首相のかなりの部分はあまり好きではないのですが、この発言は評価します。

で、クルド地域指導者から思わぬ声が出ます。
イラククルド指導者「米軍独自受け入れ」アラブ系反発(1/2ページ)
http://www.asahi.com/international/update/1106/TKY200811060281.html

2008年11月6日22時8分

 【カイロ=田井中雅人】米軍の来年以降のイラク駐留を巡り、これを法的に可能とする米イラク安全保障協定の交渉が難航している問題で、イラク北部のクルド地域政府指導者から「協定が成立しなければ独自に米軍を受け入れる」との発言が飛び出した。イラクからの「分離独立」の意図を感じ取ったアラブ系議員らが反発している。

 アラブメディアによると、クルド地域政府のバルザニ大統領が10月31日、米ワシントンにあるシンクタンクで講演。「交渉中の安保協定が成立しなくても、米軍がクルド地域への駐留を望むなら、クルド地域政府や民衆、議会は温かく迎えるだろう」と述べたのが発端だ。

 米軍のイラク駐留に法的根拠を与えているのは国連決議だが、年末に期限が切れるため、これに代わる安保協定の交渉が両国間で続いている。

 だが、イラク政府はイスラムシーア派アラブ人の主導。同じシーア派の隣国イランは米軍のイラク駐留継続に反対しており、これに配慮したマリキ首相は「イラクから周辺国への越境攻撃の禁止」などの修正を米政府に求め、交渉は難航している。

 フセイン時代に抑圧されたクルド人らは、90年代初めの湾岸戦争以降、米国との関係を強めてきた。旧フセイン政権崩壊後は、クルド人指導者タラバニ氏がイラク中央政府の大統領に就任、シーア派アラブ人与党と連携して国内での発言力を強めてきた。

 バルザニ氏はかねてクルド地域の「分離独立」の可能性を示唆してきた人物だが、今回の発言を受けてアラブ系議員らは「イラクの統一をうたった憲法に違反する」「クルドは出しゃばりすぎだ」と反発し、謝罪を求めている。

 クルドは米国を、シーア派はイランを「後ろ盾」としており、米国とイランの「代理戦争」の様相も帯びる。イラク分裂の新たな火種となりかねず、タラバニ氏が「中央政府の承認なしに、米軍がクルド地域に駐留することはありえない」と述べるなど、火消しに躍起だ。

タラバニ氏はクルド人なので、火消しに躍起なのですね。

全部は調べ切れませんが、アメリカ以外は年内撤退が多いみたいですね。
イラク駐留部隊、年内撤退へ ブルガリアルーマニア
http://www.asahi.com/international/update/1107/TKY200811070362.html

2008年11月7日20時35分

 ブルガリア国防省は6日、イラク駐留部隊の任期が切れる12月末までに非戦闘員ら約155人を撤退させる方針を明らかにした。ロイター通信などが伝えた。

 一方、AP通信などによると、ルーマニアのメレシュカヌ国防相は同日、イラク政府からの駐留延長の要請がなければ500人規模の部隊を年内に撤退させる考えを示した。駐留が求められた場合は、任務を現在の治安維持活動から、イラク軍への支援活動に切り替える方針という。(ウィーン)

よりよきイラクの未来を祈願しつつこの辺でエントリを締めたいと思います。