テロに揺れる印パ関係。

インド首相 カシミール停戦ライン「バスの往来続けたい」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081216-00000001-maip-int


カシミール地方の停戦ライン

 【ニューデリー栗田慎一】インドのシン首相は14日、北部カシミールで演説し、パキスタンとの和平対話で05年に実現した、カシミール地方の停戦ラインをはさんだバス運行について、「人やモノの往来を今後も続けたい」と述べた。ムンバイ同時テロ事件で「国境」閉鎖が懸念されたが、カシミールの緊張で新たなテロを誘発する恐れがあると判断した模様だ。地元各紙が15日報じた。

 停戦ラインをはさんだ直通バスは04年に始まった印パ対話の最大の成果。47年の第1次印パ戦争後に分断されてきた両国カシミールの人々の生活改善にも役立っている。

 ムンバイ事件では、パキスタンカシミールの過激派勢力の関与が指摘され、停戦ライン閉鎖を求める強硬意見が政府内にあった。

 シン首相は14日、「パキスタンが一部国民によるインドでのテロ活動を抑止するまで両国関係に進展はない」とも強調し、印パ対話の再開は当面困難との認識を示した。

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ラシュカレ・タイバ

こちらは何とか現状維持なんですけど、こちら↓は
ボリウッドの苦悩 テロで冷え切った文化交流
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081215-00000595-san-int

 11月26日にテロに見舞われたインド・ムンバイ(旧ボンベイ)は、インド映画製作の中心地「ボリウッド」でもある。米ハリウッドとボンベイをもじったそのボリウッドでは、テロを題材とした新しい映画の企画が相次いでいるという。一方で、パキスタン出身の歌手の公演がキャンセルされるなど、テロの影響はなお色濃く残る。今年4月にはパキスタン映画が43年ぶりにインドで上映されたが、こうした融和ムードもすっかり冷え切っている

 「11・26テロに襲われたムンバイ」「タージマハルホテルの48時間」−。今、ボリウッドで承認を待つ映画のタイトルだ。英BBC放送によると、これまでに20本以上の企画が出されている。有名なドキュメンタリー映画作家の1人は、同放送に「いつものことだ。人は悲劇にとびつく。真剣に(事件を)受け止めているのはごくわずかだ」と話す。

 地元紙インディアン・エクスプレスによると、1990年以降、テロをテーマにしたボリウッド映画は少なくとも10本。いずれも脚本の善しあしや宣伝とは関係なく、ヒットしたという。

 2001年9月の米中枢同時テロをテーマにしたハリウッド映画は多いが、実際にテロで崩壊した世界貿易センタービルの跡地「グラウンド・ゼロ」を映したメジャー作品は、スパイク・リー監督の「25時」(02年制作)からだという。それだけに、ムンバイでのテロを受けたインド映画界の関係者の動きの早さは目立った。

 タージマハルホテルからテロリストが排除された直後には、日本でも知られるラム・ゴパル・ヴァルマ監督が、映画のロケハンのために同ホテルを訪れた。一緒に現場に行った俳優が、ムンバイを州都とするマハラシュトラ州政府高官の息子だったことも、当時、地元で話題となった。

 もっとも、こうした映画が作られても、パキスタンで公開されることは当分なさそうだ

 今回のテロでインドがパキスタン人の関与を指摘し、パキスタン政府に対する圧力を強めたこともあり、パキスタン国内の対印感情が悪化パキスタンの地元紙によると、今回のテロ後、パキスタン国内でのインド映画の観客は80%減だという。さらに、12日から各国で上映が始まったインド映画も、パキスタンに限り公開が延期された。

 また、映画だけでなく、その他の交流にも影響が出ている。マハラシュトラ州議会で力を持つヒンズー教至上主義政党のシブ・セナ党は、パキスタンのアーティストの同州での公演を禁止すると発表。インドのアーティストは「彼らがテロをやったわけではない」「音楽家は社会階級や宗教と関係がない」などと解除を訴えたが、結局、予定されていたパキスタンの人気歌手の公演は無期限の延期となった。

 一般の国民レベルでの相互理解が進まなければ、国家間の和解は容易ではない。その意味でも、映画や音楽などの相互交流が早期に再開され、両国民がテロの後遺症から立ち直ることを期待したい。(シンガポール 宮野弘之)

とのことです。
アフガン、印大使館で自爆テロ。インド、パキスタンの動きは。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080708/1215527375
で、書いたように印パ関係は複雑ですが、一刻も早くテロの全容が明らかになって、印パ関係が改善して欲しいものです。

捜査は徹底的に行われるようですね。
【インド】FBI、テロ犯のDNA採取 アフガンで採取のサンプルと照合
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081216-00000017-nna-int

 ムンバイ同時テロの捜査に協力している米連邦捜査局(FBI)など欧米の捜査官らは、テロ実行犯9人の遺体から遺伝子の構成物質であるデキシリボ核酸(DNA)のサンプルを採取した。アフガニスタンなどで採取されたサンプルと照合し、過激派同士の関係を知るのに使われる。14日付PTI通信が伝えた。

 捜査官らはまた、実行犯が使用した武器弾薬がアフガニスタンで使われている物に極めて類似している、との見解も示したという。

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追記:
こんな記事もありました。
インド、パキスタンで開催のクリケット大会欠場と
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081219-00000018-cnn-int

(CNN) インドのスポーツ省は18日までに、隣国パキスタンで来年1月から2月に予定されていたクリケット大会を、インドチームが欠場すると発表した。ムンバイ同時テロを受け、インドとパキスタンの関係が緊張しており、政府がパキスタンへの出国をとりやめるよう指示していた。

インドのクリケット協会も、政府から渡航を中止するよう要請があったと認めた。今後、パキスタンとの試合を、中立国で実施するかどうかは未定。

インド外務省はすでに、安全が確保できないとの理由で、ホッケーのジュニアチームのパキスタン渡航を禁止している。