タイで中国語学教育機関「孔子学院」激増、政府の南進計画をバックアップ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090125-00000529-san-int

 【バンコク=菅沢崇】中国政府が外国での中国語普及を目指し、各国に設けている語学教育機関孔子学院」の活動がタイで目立ち始めた。2月の地方大学での新設を含め、過去2年余りでタイの有名大学、高校に設置された学院数は13に上り、東南アジア域内では第一位、世界的にも異例の急増ぶりを示している。今年からは当初の語学教育に加えて歴史、文化教育を行う計画もあり、中国に対するタイ国民の親近感を増大させ、中国の影響力拡大に貢献している。

 孔子学院は各国の大学などに開設されるが、タイで初となる2006年5月に開校したバンコクの国立カセサート大学の場合、約10万ドルの初期費用を支給され、学院長には同大学の外国語学部の教師と中国政府が派遣した政府関係者が共同で就任。2カ月を1学期とするカリキュラムでバンコクの一般市民100人が、中国人のボランティア教師らの指導の下で中国語を学んでいる

 今年からはこれまでの語学に加え、歴史、芸術、音楽などの講義も盛り込んでいく方針で、タイ人のノップ・ウンポー学院長は「設立後も運営補助金が支給され、タイの大学側の財政問題を解決できるのが大きな魅力だ。すでにチュラロンコン大学など名門校にも設立され、国内の設置数は飽和状態といえる」と指摘している。

 タイでは孔子学院以外にも、中国語の教育機関が03年の242校から昨年は約1100校に激増、学習者数も約5万人から約40万人に増えており、中国語熱は高まるばかりだ。

 昨年3月、東南アジアでは、中国雲南省からラオス経由でタイのバンコクに至る高速道路が開通し、中国やタイ、ラオスの首脳が「南北回廊」の開通を宣言した。中国はラオス区間については、無償で資金を援助した。

 陸路だけでなくメコン航路」とされる水路をめぐっても、タイとラオス間の架橋工事を中国が支援するなど、中国は東南アジア地域への影響力を拡大、“南進計画”を強力に推し進めている

 中国の存在感が年々高まる中で、タイでは一部の大学ですでに、言語や文化面での中国の影響力拡大に危機感を表明する人々も出始めている

 国立タマサート大学では、日本語学科が50人と依然として英語に次ぐ人気を博しているが、同校で日本文化を教えるワリントン・ウーウォン准教授は「学生は外国語を道具としてみる傾向が強い。中国経済の影響の色濃いタイ社会でこのまま中国の進出が続けば、中国語の人気が高まり、日本語は中国語に負けてしまう」と懸念を示した上で「英、独、仏、中国語など人気外国語はいずれも、タイ国内に高等教育機関の教師を対象にした教師協会があるのに日本語だけはない。日本語普及に向けて日本語教師の協会発足を促したい」と語った。

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中国はこういうところがほんとに行動が早いという気がします。それに比べて日本は遅い。
孔子学院と日本語学習拠点については、
日本語学習拠点、3年で10倍100拠点に…中国に対抗
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071224/1198466314
で、日本やるんじゃなかったのかよと思います。

また中国の南進と関係があると思うのですが、日中で対話もしていました(南北回廊、東西回廊の地図もたどれます)。
メコン川流域各国への政策、日中が初対話 25日北京で
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080424/1209050114

現実には
インドシナ半島 「中華経済圏」の様相 人民元流通、あふれる中国製品
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080514/1210775978
という事のようですから、日本も早く動いて欲しいと思います。

追記:
中国版アルジャジーラ計画 国営メディア拡張に6千億円
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20090118/1232227138
というのもありました。