対テロ戦、言論自由に優先も=前政権の秘密メモ公開−米司法省

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090303-00000083-jij-int

 【ワシントン3日時事】米司法省は2日、対テロ戦は言論の自由など憲法で定められた国民の権利に優先することもあるなどと記したブッシュ前政権時代の秘密メモを公開した。前政権が「戦時下」を理由に、超法規的な措置で国民の基本的権利を制限することを正当化しようとした実態が露呈した。

 メモは9通。同時テロ後の2001年10月23日付で司法次官補代理が当時のゴンザレス大統領法律顧問にあてたメモには、修正憲法1条で定められた言論や出版の自由は、対テロ戦を成功裏に成し遂げるために下位に置かれることもあると記述している。

時事通信ではこうですが、毎日新聞ではもう少し詳しいです。
<米司法省>前政権のテロ対策メモ公開「秘密主義」浮き彫り
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090303-00000108-mai-int

 【ワシントン大治朋子】米司法省は2日、ブッシュ前政権時代の高官らが作成したテロ対策に関するメモなど9件を公表した。「テロ容疑者」に対する家宅捜索や押収は大統領らの承認があれば令状なしでも可能と認める内容で、合衆国憲法を適用しない超法規的な権限を与えている。ブッシュ前政権の秘密主義的な「対テロ戦争」最優先の姿勢が改めて浮き彫りになった。

 米メディアによると、9件は01年9月の米同時多発テロ以降、テロ対策を担当する司法省高官らが法的な見解を記したメモや意見書。同月25日付のメモには、テロ攻撃を受けた政府の安全対策は令状なしの捜索を正当化しうる、などと記載されているという。

 メモは具体的にブッシュ前政権が秘密裏に行った米国民を対象とする令状なしの盗聴制度について述べてはいないが「その基礎の一部を形成した」(AP通信)とみられる

 同年10月23日のメモでは、令状なしの家宅捜索、押収から国民を保護する米憲法修正第4条は大統領によるテロ対策である限り適用されない、と記載。また、後日このメモに追加された書面には、表現や言論の自由を定めた同憲法修正第1条についても「戦争を成功させるという最優先の必要のためには後回しにしてもかまわない」と指摘している、という。

 文書の公開に先立ちホルダー司法長官は前政権について「むしろ(米国を)傷付けている」と批判した。

 一方オバマ政権は2日、米中央情報局(CIA)がブッシュ前政権時代に「テロ容疑者」の取り調べを収録したビデオ92本を極秘に処分していたことを認めた

 人権保護団体「全米市民的自由連合」(ACLU)が提起していた国賠訴訟の審理が2日開かれ、提出書面で明らかにした。ビデオには拷問の様子が収められ、訴訟提起を機に処分されたとみられるという。

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前の政権の行き過ぎを現政権が戻そうとするというのは、大統領の権限が強い国では起こりやすいんですかね。ただ、民主主義のための戦争ならまず国内をと思いますけどね。

CIAの92本のビデオ処分の件は、単独で記事にもなってますが、長文なので別エントリにします。