武装勢力掃討作戦で避難民あふれるキャンプ パキスタン

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090512-00000607-san-int

 【ニューデリー=田北真樹子】パキスタンの北西辺境州スワト地区などにおけるイスラム原理主義勢力タリバン武装勢力に対する軍の掃討作戦で、避難民の大量流出が続いている。その数はここ数日だけで36万人以上にのぼり、避難民キャンプは人であふれかえっている。マラリアなどの感染症も確認され、状況は深刻さを増している。

 首都イスラマバードから車で北西に約2時間の街マルダンには、3つのキャンプが設けられている。パキスタン人ジャーナリスト、ナシル・カーン氏はそのうちの1つ、ジャララ・キャンプを10日に訪れた

 「食糧や生活必需品を受け取るにも人が多すぎて簡単にはもらえない。こんな状況が続くなら、故郷で死んだほうがましだ」

 スワト地区から避難してきたイクバル・フサインさん(25)は、カーン氏にこう漏らした。マルダンは、掃討作戦が行われているスワト、ブネール、ローワー・ディールの3地区を結ぶ幹線道路沿いにある。連日、大量の避難民がやってくるため、食糧を待つ列は長くなる一方だ。

 病人も多い。日中の気温は30度を超え、衛生状態は悪い。キャンプに設けられた簡易診療所のワハブ医師は「マラリアや急性呼吸器感染症、下痢の患者が多い。特にマラリアの早急な対策を当局が講じなければ、キャンプ全体に蔓延(まんえん)する危険性がある」と窮状を訴える。支給されるテントは1家族に1張り。多くの避難民に不眠症や鬱(うつ)病(びよう)の症状もみられるという。

 パキスタン政府は国際社会に避難民支援を呼びかけ、次々と支援の手が差し伸べられつつある。国連難民高等弁務官事務所UNHCR)は11日、120トンの支援物資を中東からパキスタンに空輸することを発表した。パキスタン赤新月社UNHCRと連携し複数の新たなキャンプを設置する。だが、今後さらに50万人が戦闘地から逃れてくるとみられ、事態の長期化を視野に入れた支援態勢の確立が急務となっている。

 スワト地区から家族と逃げてきたサイード・ワジドさん(24)は「掃討作戦で家族を失った人たちが、復讐(ふくしゆう)のために武装勢力に加わり始めている。私も家族が殺されたらそうする。復讐するにはそれしか方法がないじゃないか」とカーン氏に語った。掃討作戦の長期化は、住民を武装勢力側へと追いやるケースも出ているようで、作戦は時間との戦いの様相を呈している。

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タリバンには3種類=中核は少数−ホルブルック氏分析
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20090418/1240057766

(2)戦闘で家族が殺され、政府の腐敗、改善されない貧困に憤り、タリバンを支持するようになった住民

というのがまさに発生しているわけですね。

その上で「恐らく半数以上はタリバンの思想はどうでもよくて金目当てだ」と断じた。

と言っていますが、タリバン支持を止めさせられないどころか、故郷で死んだ方がましといわれる現状では、「金」では解決できそうにも無いですね。

北西辺境州のタリバン影響度は、ゴンベイさんからコメントいただきました。
http://cdnll-4.liveleak.com/s/18/media18/2009/May/9/LiveLeak-dot-com-634848e205cb-nwfpnorth06may09_900.jpg?h=b796288f05e2b6acfecf25d7132e6f9c&e=1242524113&rs=150

スワト、ブネール、ディールなどの地名が確認できると思います。でも何民族だからタリバンと運命を共にするという程の連帯感ではないようですね。こんな状況が続くなら、故郷で死んだほうがましだとの意見はあるようですが。