東大 メタンガス生成実験成功 CO2を細菌の力で燃料に

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090719-00000011-fsi-bus_all
 地球温暖化を引き起こす厄介者の二酸化炭素(CO2)を地下深くで燃料の天然ガスに“リサイクル”する技術を確立しようとの研究を、東京大のチームが進めている。油田で見つかった細菌を利用してCO2からメタンガスを作ることに実験室で成功し、実用化が現実味を帯びてきた。目に見えぬ小さな生物が、地球環境を守る救世主となるかもしれない。

 工場や発電所などから出るCO2を高濃度に圧縮し、深さ1000メートル前後の地下に封じ込める「地中貯留」が温暖化対策の次世代技術として注目を集め始めた。しかしCO2は使い道のない「産業廃棄物」で、有効利用の道が模索されている。

 東大チームはCO2から天然ガスの主成分のメタンを作る細菌が世界各地の油田で見つかることに着目した。細菌の利用と地中貯留の技術を組み合わせることができれば、CO2削減と天然ガス生産の一石二鳥になるというわけだ。

 チームをまとめる佐藤光三教授は「CO2は魅力的なエネルギーの原料だという認識を人類が持つようになるかもしれない」と話す。

 チームはまず秋田市八橋油田をフィールドに有望な細菌探しに着手、油層の下にある水の中から3種類のメタン生成細菌を発見した。次に油田の水に高濃度のCO2を溶かし込むなどして作った、CO2の貯留場所周辺の水に環境を似せた培養液でそれぞれの細菌を育て、メタンを作れるかどうか確かめた。

 すると、メタン生成に最も条件が適した培養液中での生成量に比べ、約3%と少ないながらもメタンの生成が確認された細菌が1種あった。

 計算上は、八橋油田で貯留が十分に可能な約620万トンのCO2から、8年ほどで、日本国内の天然ガス生産量の1年分に相当するメタンを作ることができるという。

 前途有望ともみえるこのCO2リサイクル技術にはコスト面でいくつか課題がある。チームが最も頭を悩ませていることの一つが水素の供給方法だ。

 この細菌がメタンを作るにはCO2のほかに水素が必要で、水素を含む有機物などを地下深くまで大量に送り込まなければならない。今回の実験で水素の供給源として使ったのは高価なブドウ糖で、このままでの実用化はとても無理だという。

 佐藤教授は「ブドウ糖の代わりに、家庭や工場から出る排水中の有機物が使えるのではないか。今後は条件の良い水素の供給手段を考えていきたい」と話している

なかなかうまい話は無いですね。
世界は、石油文明からマグネシウム文明へ
http://wiredvision.jp/blog/yamaji/200907/200907031402.html
だとマグネシウムと酸素を反応させ水素は発生させないと言う話でした。