【グローバルインタビュー】私たちはテロリストではない ラビア・カーディル議長

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090809-00000540-san-int


日本記者クラブで会見する在外ウイグル人組織「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長=29日、東京・千代田区の日本記者クラブ(大西史朗撮影)(写真:産経新聞

 在外ウイグル人組織「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長は7月末に実現した日本訪問で、ウイグル問題の平和解決を目指すとして中国最高首脳部との直接対話を求める一方、中国による統一工作と対立するチベットや台湾などの勢力とも連携を強めていく考えを明らかにした。(長谷川周人)

【強まる圧力】

 米中枢同時テロ以降、中国は国際的な反テロ機運を悪用し、ウイグル人への圧力を強めてきた。同時テロをウイグル人を徹底的に弾圧する絶好のチャンスと受け止めたからだろう。

 この中で中国共産党は、2つの宣伝工作を巧妙に行ってきた。まずはイスラム世界に対し、ウイグル会議と連携するウイグル人は欧米に寄っており、本物のイスラム教徒ではない、という。その一方で欧米諸国に対しては、彼らはイスラム教のテロリストだと宣伝するのだ。

 この結果、中国はこの10年間で過去を上回る弾圧を行うことに成功し、米国もようやくそれに気づくようになってきた。一例を挙げれば、2008年1月18日、(中国新疆ウイグル自治区の)裁判所所長が、過去5年で1万5千人のテロリストを摘発したと発表した。もし本当にウイグル人の中にこれほどのテロリストがいるとすれば、大変なことだ。国際社会も驚くだろう。

【アルカーイダ】

 さらに今回の事件で中国は、「テロとの戦い」という名の下で、われわれにテロリストのレッテルをはり、悪者に仕立て上げようとしている。私たちはこれまで知られていないウイグルの側面を世界に伝えようとしており、(自治区内の)真実の露呈を恐れる中国は、活動を阻止する必要があるのだろう。

 そして(国際テロ組織)アルカーイダと結びつけようとしているわけだが、私がそもそも「アルカーイダ」という言葉を耳にしたのは、米国に亡命してからのことだ。

 このような根拠のない誹(ひ)謗(ぼう)中傷は一種の犯罪であり、国際裁判に訴えるべきものと思う。私たちはテロリズムには反対であり、彼らと共闘しているどころか、犠牲になっているのだから。

 私たちは平和的な手段を第一として人権擁護活動を行っている。にもかかわらず中国は、国家として(テロ組織との結託という)ウソを口にしている。恥を知るべきだ。

 あえて繰り返すが、われわれはあくまで口で訴え、ペンで戦い、平和的な活動を続けていく。だが、中国政府はテロリストなどのレッテルをはり付ける。これまでじっと我慢をしてきたが、今回の事件のこともあり、同様の状況が続けば今後、どのような大惨事が起きるのか、われわれは想像もつかない。

 今回の事件に対する米国の態度が冷たく、失望感に近いものを感じている。7月5日の事件では、ウイグルの若者たちが軍の無差別発砲で大量虐殺されたが、米国を含む国際社会は経済問題に目を奪われ、事件に対してまともな反応を示していない。中国は世界を襲った経済危機を利用し、外交的な手法をもって国際社会を引きつけ、ウイグル人弾圧を強めているのだ。

【直接対話】

 われわれは民族の「自決権」を求めている。中国は「自治権」を与えてきたというが偽物だ。自治権を求めるダライ・ラマ14世もだまされ続けている。「(中国とダライ・ラマの)対話の実現」というが、時間稼ぎにすぎない。私たちが(ダライ・ラマと同様に自治権を)中国政府に求めても、何の意味もないだろう

 しかも今回の虐殺を通じてウイグル人は、一般の漢人(漢族)も含めて中国が、ウイグルを敵視していることを思い知った

 10月に建国60周年を迎える中国は、過去60年にわたり、「民族団結」「民族平等」「少数民族優遇政策」などを宣伝してきたが、みなウソであることは明白になった。今回の事件をみても、それら民族政策が失敗だったことを示しているではないか。中国当局は現実を直視し、政策の失敗を認めるべきだ。

 ウイグル問題を平和的に解決する唯一の方法は、世界ウイグル会議と中国指導部が国際社会が関与する中で直接対話を行うことだ。これが最終解決に向けた第一歩となる。したがってわれわれは対話実現を強く国際社会に訴えていくが、国際社会も中国が話し合いに応じるよう働きかけてほしい

【今後の活動】

 当面は世界中を飛び回り、真実を伝え、国際社会に助けを求めていく。同時に国内(新疆ウイグル自治区一帯)から少しでも多くの情報を引き出し、イスラム諸国、アラブ各国にも訴えていく

 われわれはこれまで、法輪功チベット、モンゴル、台湾、そして民主化活動家たちと連携して活動してきた。建国60周年に向けてはみなが世界中で連合し、活動する計画を進めている。中共中国共産党)がこの60年、与え続けてきた苦痛について、われわれの主張を訴えたい

 台湾(の馬英九政権)についてだが、総統選の最中に起きた昨年3月の「チベット暴動」では、中国によるチベットに対する暴力を批判した。ダライ・ラマ14世の来台をも歓迎していたが、新政権が発足するとビザ発給を(実質的に)拒んでいる(ワシントンで)私たちと台湾のオフィスはすぐ近くにあり、以前はいい関係にあったが、(政権交代以降は)逃げ腰だ。(馬政権の対中傾斜が進んでおり)まさに政治なのだろう。

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まぁ最初読み始めてすぐに産経新聞だなと思いました。9.11以降ETIMをテロ組織認定したのはアメリカだろうと。

しかし1万5000人のテロリストを摘発したと言うのはすごいですね。本当にこれだけいたら内戦になると思うのですが。

対話実現と言うことですが、
中国人はいったん敵と決めた相手とは交渉しないらしい。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080326/1206538165
ということなので難しいのではないでしょうか。

世界テロリズムマップ (平凡社新書)

世界テロリズムマップ (平凡社新書)

をなんどか紹介していますが、そのなかの東トルキスタン(ウイグル)の節で、情報戦で東トルキスタンは、中共に負けているという話があったので、東トルキスタンに加勢しておきます。

p153-

東トルキスタン情報センターのアブドゥジェリリ・カラカシ代表は2002年12月以下の事例を列挙して「本当のテロリストは誰か」と弾劾した。
(1)カザフにあるウイグルスタン解放組織の創始者が1998年秋、自宅で襲われ翌年春に死亡した。
(2)情報センターの中央アジア地区代表が99年5月、キルギスのマフィアに拉致され行方不明となった。
(3)カザフのアルマイトで2001年5月、ウイグル人基金会の代表が、自宅で惨殺された。
(4)キルギスビシケクウイグル文化協会首席が2002年4月、暴漢に殺害された。ウイグル独立派もこうした情報発信に努めているものの、中国当局の圧倒的な宣伝戦には太刀打ちできていない。2002年夏、キルギス政府から「今年5月にETIMメンバー2人を中国に送還したが、彼らはビシケクで米大使館などの攻撃を計画していた」との通報が米当局に入った。この情報が、米政府によるETIMのテロ組織認定を最終的に決定づけたといわれる。
その後中国、アメリカ、キルギスアフガニスタンの4カ国共同提案を受け国連もETIMを「テロ組織」と認めた。国際社会から「アルカイダ一派」の烙印を押されてしまったのである。

一刻も早く彼らが自由になることを祈ります。