プーチン登場10年も70%超の記録的支持率 支配、強権、人気・・・そして忍び寄る最大の危機

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 ロシアの世論財団が今月実施した調査では、プーチン氏の支持率が73%と記録的な高さとなり、メドベージェフ大統領の支持率59%を大きく引き離している。ロシア首相のプーチン氏がロシア政界に登場してから9日で丸10年になったが、今なおロシアでのプーチン人気は健在だ。

 柔道で鍛えた筋骨隆々の体に鋭い眼光を発しながら、強力なリーダーシップで大国ロシアを率いてはや10年。すっかり権力者の風格が漂うようになったプーチン氏だが、実はエリツィン大統領(当時)に後継者として指名されるまでは、海外ではもちろんのことロシア国内でもその存在はほとんど知られていなかった

 しかし権力の中枢に入ると、8年間のプーチン政権でロシア経済は危機を脱して大きく成長、国内総生産GDP)や平均月給は5倍超に増加した。国民人気は絶大で、プーチン氏を支持する国民の多くは、氏の最大の功績をロシア経済発展を進展だと認識している。またエリツィン時代からの内政の混迷に終止符を打ち、体制を確立した手腕は高く評価されている。

 しかしその一方で強権を利用し国内の新興財閥勢力を弱体化させたり、批判を振り切ってのチェチェン共和国への進攻、国内メディアの統制などがロシアの民主化への動きを止め、欧米との溝を深めたとも指摘されている。またプーチン人気を支えてきた経済も危険な状態だ。過去数年間にわたってエネルギー価格が上昇し、世界最大の資源輸出国として優位な地位を築いてきたロシアの立場は、経済危機によって突如崩れ落ちてしまった。

 同国の歳入のうち約4割を占める石油・ガス輸出が価格下落の影響で大幅に減少。09年の財政収支も黒字見通しから一転、10年ぶりの赤字に転落、国内総生産GDP)も前年比で8.5%の大幅減となる見通しだ。政府は来年も1%の低成長にとどまると予測しており、経済が回復基調にある中国やインドと比べて復興の遅れが鮮明になっている。

 大統領を退いた後も事実上最高権力者として影響力を行使していると見られ、大統領復帰説も囁かれるプーチン氏だが、その国民人気の裏で過去最大の危機に直面している。

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ロシアというとソ連時代から政治家が変わるたびに前の方がまだよかったと政治家批判が多い気がするので、これは驚異的な支持率なんでしょうね。