インド洋の海自を撤収へ 首相「アフガン政府強い思いない」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091013-00000556-san-pol
 インド洋で補給活動を行う海上自衛隊が来年1月15日の新テロ対策特別措置法の期限切れに伴い、撤収する方向となった。北沢俊美防衛相は13日の記者会見で「期限が来年1月に来るので、法に基づいて粛々と撤退をする」と明言。鳩山由紀夫首相は同日夕、記者団に「アフガニスタン政府自身にとってどうかということでわれわれは判断したい。アフガン政府自身が日本の給油支援に対してあまり強い思いを持っていない」と述べ、延長を見送る意向を示唆した。

 海自の補給活動をめぐっては、米国や英国、パキスタンなどが継続を求めている。特にインド洋上でアフガニスタンへの武器流入を阻止するパキスタンの小型船舶は海自の海上補給に依存しており、日本の撤退が関係国の対アフガン政策に深刻な影響を与える可能性もある。

 北沢氏は会見で、補給活動の継続について「臨時国会も間もなくという中で、政府の中で、新法案で再派遣をするという議論になっていない」と指摘。平野博文官房長官も13日午後の会見で、北沢氏の発言について、「そういうことも含めた最終判断をしないとならない」と述べ、撤収の方向で最終調整する方針を示した。

 これに先立ち、岡田氏は12日に訪問先のイスラマバードで記者団に対し、活動延長のための法案について「現実問題として国会日程は窮屈だ。臨時国会でというのは難しい」と述べ、26日召集予定の臨時国会への提出は困難だとの見方を表明した。

 その上で、岡田氏は「補給活動と切り離し、もう少し世界的な視野でみれば、テロの温床になっているパキスタンとアフガンの国境地帯に働きかけをし、どう支援をしていくのかが世界的な関心事だ」と述べ、補給活動と両国への支援問題を切り離して検討すべきだとの認識を示した。

 岡田氏は11日夜(日本時間12日未明)にパキスタンのギラニ首相と会談。同首相が補給活動の継続を求めたのに対し、根拠法失効後の対応は政府内で検討中との見解を示すにとどめた。

【関連記事】
・アフガンは民生支援で 社民、給油活動からは早期撤退
・岡田外相 海自撤収、給油一時中断もやむなし
・「給油活動」どうする日本
・岡田外相、パキスタン支援を強化 大統領に表明
・アフガン政策の「転換点」 岡田訪問 支援具体化へ

給油の代案は、
<アフガン支援>タリバン元兵士に職業訓練、米に日本案伝達
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20091003/p1
でしたが、ではこの案はアフガニスタンから支持されたんでしょうか。職業訓練の指導者はアフガン人から採用するとか勝手に決めてる感じがするのですが、あと訓練地は第三国を使う可能性もあるようですが、ちゃんとどこにするか決めたんでしょうか。給油中止ありきの議論のような気がして仕方ありません。

追記:
こういう記事もありました。
相次ぐテロ、支援関係者も対象に アフガンルポ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091013-00000555-san-pol
 11日にアフガニスタンを訪問した岡田克也外相。カルザイ大統領には、元タリバン兵士の職業訓練など非軍事的な新たな支援策を提案した。だが、その岡田氏が滞在したのはわずか7時間。事前に日程公表をせず、分厚い防弾ガラスと防弾服に守られた「安全な旅」だった。「最近、特に治安が悪化している」。現地大使館員もそう話す。民生支援−。岡田氏の語る理念とはほど遠い、外国人にとっては極めて危険な現実がアフガンにはあった。

 「これから、最も危険な所を通ります。これを着てください」

 アラブ首長国連邦のドバイ経由でカブール空港に到着した同行記者の前に、重さ15キロの防弾服が置かれた。「空港から大統領府などアフガン政府関係の建物が並ぶ中心街に通じる道路は、最も危険度が高い」。そんな説明が続いた

 岡田氏も防弾服を着て、防弾車に乗り込んだ

 約2年前にカブールに赴任したという外務省職員は「自爆テロが頻発している」とまゆをひそめた。

 岡田氏を乗せた車が通る沿道は、約50メートルおきに治安部隊が配備され、さながら「戒厳令」のようだ。

 ボディーチェックと持ち物検査も徹底していた。すべてを地面に広げ、警備犬が入念にチェックする。大統領府は、カメラとメモ帳以外、ボールペンや携帯電話すら、爆発物の可能性があるとして持ち込めない。「一度シャッターを押して」。確認作業がなければカメラもだめだ。

 岡田外相が、わずかにカブール市民と接触できたのは、カブール職業訓練所や学校などだった。

 黒板も照明もなく、コンクリート打ちっ放しの部屋。机やいすが不足していて、床に絨毯(じゅうたん)を敷き、子供たちは教科書を広げていた。

 岡田氏がサッカーボールをプレゼントすると、子供たちは奪い合って、岡田氏をもみくちゃにした。

 支援を必要としているのは確かだ。

 だが、こうした普通の市民の生活も、外国人が支援として積極的に関与し始めれば「テロ」の対象になり始める

 取材先にむかう途中、がれきの山が現れた。

 「この前、自爆テロがあり、多数の死傷者が出たインド大使館近くの建物です」。大使館ですら安全ではない。被害にあった建物はほとんどすべて吹き飛び、爆発の威力の強さを残していた

 アフガンでのテロは今年前半だけで5000件を超えたという。政府関係機関だけでなく、復興事業にかかわる支援関係者の誘拐や、学校への放火なども相次いでいる

 「現地のニーズを探る」とアフガンを訪れた岡田氏。だが、訪問は、支援策をめぐる連立政権内の路線対立と無関係ではない

 「インド洋で展開する補給活動の代わりに何をするか」「国内をどう説得するか」。そんな内向きな視線で民間人を派遣することができるのか。疑問ばかりが残った。(カブール 笠原健)

しかし新たな支援策を実施して死傷者がでたらそれこそどうするんでしょうね。

さらに追記:
■<インド洋給油>対象国から「延長せず」に理解 海幕長

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091013-00000130-mai-pol
 来年1月に期限が切れるインド洋での海上自衛隊の給油活動について、赤星慶治・海上幕僚長は13日の定例会見で、今月上旬に米国など給油支援対象国8カ国すべての海軍トップらと会談したことを明らかにした。赤星海幕長は「単純延長はしない」との政府の方針について「一定の理解が得られた」との認識を示した。

 会談の相手国は
▽米国
パキスタン
▽フランス
▽ドイツ
▽カナダ
▽イギリス
ニュージーランド
デンマーク
米国で開かれた海軍の国際シンポジウムに出席した際、面談した。会見で赤星幕僚長は「政治が軍事に優先することはみな理解している。日本国内の状況、海自の置かれた立場にも理解を示してくれた」と語った。【樋岡徹也】

ということですが、日本の立場が弱くならなければ良いんですが。