列車爆破犯の隠れ家発見、DNA試料押収…露報道

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091130-00001081-yom-int
 【モスクワ=緒方賢一】ロシア北西部で27日起きた特急列車「ネフスキー・エクスプレス」爆破テロ事件で、インターファクス通信は30日、警察当局が爆破犯が拠点にしたと見られる隠れ家を現場近くで発見した、と報じた。

 同通信によると、当局は爆破犯が実行の数日前にこの家を使ったと見ており、室内から女1人を含む4人分のDNA試料を押収した。

 また当局は、関与が疑われる不審者2人の身体的特徴やモンタージュ写真を公表した。ただ、テロの組織的な背景は公表していない

 一方、有力紙「コメルサント」は30日、チェチェン共和国など北カフカス地域で暗躍するイスラム武装勢力の犯行との見方を伝えた。 同紙は、捜査当局者の話として、ロシア軍からチェチェン武装勢力に寝返った元兵士が今回の事件を指揮した可能性があると報じた。元兵士は今回と同じ特急列車を標的とした2007年の爆弾テロの容疑者として、当局が手配中の人物

 チェチェンはロシア軍が制圧し、武装勢力は北カフカス地域で要人暗殺を繰り返し、抵抗を続けている。今回のテロでは、列車に乗っていたロシア政府機関の幹部2人が死亡した。

 同通信によると、死者は26人となった。

ロシアで今までDNA鑑定を使うような捜査ってありましたっけ、見た記憶がありません(あったらすみません)。

2007年の事件については、すこしさかのぼりますがこちら。
露列車テロ、政権に打撃…よみがえる記憶

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091129-00001037-yom-int


読売新聞

 【モスクワ=山口香子】ロシアで特急列車が脱線し25人が死亡した惨事は、治安当局が爆弾テロと断定し、メドベージェフ政権下で初の大規模テロとなる。

 ロシアの2大都市を結ぶ主要路線を狙った攻撃は、連続テロが首都を揺るがした数年前の記憶をよみがえらせている。

 メドベージェフ大統領は28日の緊急会議で、「混乱が広がることがないように」と閣僚に指示し、平静を呼びかけた。だがサンクトペテルブルクの駅で払い戻しの長蛇の列ができるなど、市民に不安が広がっている。

 ロシアの国防専門記者は英BBC放送などに対し、北カフカス地方の武装勢力かロシア民族主義グループが犯行にかかわった疑いが強いとの見方を示し、「幹線を狙い要人も犠牲になった攻撃は、政権にとって大きな打撃だ」と述べた。

 北カフカス地方をめぐっては、過去、チェチェン共和国の独立を求めるイスラム武装勢力が大規模テロによる攻撃を繰り返した。特に2002年から04年にかけ、モスクワの劇場占拠や地下鉄駅自爆、飛行機爆破などテロが相次ぎ、市民を恐怖に陥れた

 プーチン政権は強硬策で対応し、一時はテロを抑え込んだ。だが、イングーシ、ダゲスタンの両共和国では、隣接するチェチェンから流入した武装勢力による攻撃や要人暗殺が今年に入り急増。新たな政権攻撃の始まりを危惧(きぐ)する観測も出ている。

 今回の脱線では、29日午前までに犯行声明は出ておらず、実行グループの正体はまだわからない。直後に関与が取りざたされたロシア民族主義グループは、かかわりを否定した。

 ロシアでは金融危機後の経済回復の遅れにより、政権への信頼にかげりが見えている。政治学者のアンドレイ・リャボフ氏は、「政権がテロ対策に失敗すれば、一気に支持を失いかねない」と述べた。

まぁ容疑者名までは書いてありませんが、当時の記事はこちら
<露列車脱線>現場から電気コード、爆弾テロと断定

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070814-00000067-mai-int
 【モスクワ杉尾直哉】ロシア北西部で13日夜、モスクワ発サンクトペテルブルク行き急行列車が脱線した事件で、ロシア最高検察庁は14日、「遠隔操作で爆弾が爆発したのが原因とみられる」と発表、テロ容疑で捜査を開始した。

 インタファクス通信によると、爆発現場では遠隔操作に使われたとみられる電気コードが見つかった。同様のコードは05年6月、ロシア南部チェチェン共和国の首都グロズヌイ発モスクワ行き旅客列車が路線爆破で脱線、15人が負傷した事件でも使われたという。

 プーチン露大統領は同日、滞在先のシベリアから、ロシア連邦保安庁(FSB)のパトルシェフ長官に事件の真相解明を命じた。同長官は「昨年から今年にかけ、ロシアではテロの脅威は低かったが、過激主義やテロの脅威が完全に排除されたわけではない」と説明、年末のロシア下院選挙、来年3月の大統領選挙を前にテロ防止策を強化する方針を表明した。

 ◇治安の悪さを改めて露呈=解説
 ロシア北西部で13日夜起きた列車爆破事件は、90年代からテロに悩まされてきたロシアの治安の悪さを改めて露呈した。背景は不明だが、ソ連崩壊後の混乱期からの脱却と治安回復を豪語するプーチン政権にとって打撃となりそうだ。

 近年、ロシアでのテロの多くはチェチェン独立派武装勢力によるものだった。02年10月のモスクワ劇場占拠事件(特殊部隊が使用したガスで約120人死亡)、04年9月の北オセチア共和国学校占拠事件(330人死亡)などがある

 だが、ロシア連邦保安庁(FSB)が昨年7月、チェチェン独立派の最強硬派指導者バサエフ氏の殺害を発表して以降、テロは起きていなかった。このため今回、非難の矛先をチェチェン独立派には向けにくい情勢だ。

 狙われた路線は首都モスクワと第2の都市サンクトペテルブルクを結ぶ主要幹線。サンクトペテルブルクプーチン大統領の出身地で、昨年7月にはロシアで初めて主要国首脳会議(G8サミット)が開かれた。治安回復に自信を深めていたプーチン政権に事件が動揺を与えるのは必至だ。

 ロシアではテロが起こるたびにプーチン大統領は支持率を高めてきた。だが年末の下院選挙、来年3月の大統領選挙を前に事件がどのような影響を与えるか微妙だ。シベリア出張中だった国営ロシア鉄道のヤクーニン社長や、レビチン運輸相が現場に向かい、ロシア政府が事態を深刻に受け止めていることをうかがわせた。

 14年冬季五輪開催地にロシア南部ソチが決まったばかり。テロ再発の不安が消えない限り、五輪開催にも暗い影を落としそうだ。【モスクワ杉尾直哉】

ソチオリンピックもどうなるんでしょうねぇ