新核軍縮条約、ロシア下院も批准承認 MD解釈にズレも

http://www.asahi.com/international/update/0125/TKY201101250501.html
2011年1月26日0時17分

 【モスクワ=副島英樹】ロシア下院(定数450)は25日、米国とロシアの戦略核兵器の新たな削減目標値を設定する新戦略兵器削減条約(新START)の批准を、過半数の賛成(350票)で承認した。ロシア上院も26日に批准承認する。米上院は昨年末に批准承認を済ませており、新STARTは発効に向けてヤマ場を越えた。両国大統領の批准署名と批准書交換を経て発効する。

 ロシア下院は当初、米上院に続いて直ちに批准承認を行う予定だった。だが、米上院が批准承認の際に「米国のミサイル防衛(MD)推進は新条約に縛られない」旨の付帯決議をしたため、ロシア下院側も同様の措置をとり、批准法案に修正を加える審議が重ねられてきた。新条約の前文には、米国の戦略MDに縛りをかけたいロシアの要求で盛り込まれた「戦略攻撃兵器と防御兵器(MD)は相関関係にある」との表現があるが、米上院の決議はこれを「MD推進を縛らない」と確認。「縛る」とするロシアと解釈が異なることになる。

 ロシア下院は、ロシアの戦略核戦力を減退させるMDを米国が展開したり、ロシアとの協議なく非核戦略兵器を配備したりした場合などには、ロシア側が新条約から脱退できるとの条件を批准法に盛り込んだが、米ロとも条約自体は変更していない。さらにロシア下院はこの日、「米国のMDがロシアの国益に脅威をもたらす場合は、ロシアは条約を脱退できる」との特別声明も採択した。

 新条約は、オバマ米大統領が唱える「核なき世界」への一歩となる。発効から7年以内に、米ロは戦略核弾頭数の配備上限を1550発、ミサイルや爆撃機など運搬手段総数の上限を800に設定。配備する戦略核の数を米ソ冷戦下のピーク時以降で最低水準に減らす。条約の有効期限は10年間で、最大5年間の延長が可能。次の核軍縮に米国は戦術核を掲げているが、ロシアは慎重姿勢をみせている。

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ここまで詳しく書いているのは他にはなさそうだったので採り上げました。日本としてはMDは気になるところですが。