ロシアとの喧嘩はこうやれ 元反ソ闘士の指南

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110213-00000526-san-int
産経新聞 2月13日(日)15時1分配信

 前原誠司外相の12日までのロシア訪問で、ロシア側は北方領土をめぐる強硬な立場を改めて示した。前原外相には、今後も日本国の立場を正々堂々と訴える気骨を持ち続けてほしい。リトアニア旧ソ連からの独立運動を指導したランズベルギス欧州議員(78)は、1月のインタビューで「(北方領土返還を)要求する権利は日本にある」「日本がロシアを恐れる根拠は全くない」と語っていた。1月25日付の産経新聞が掲載したランズベルギス氏の発言要旨を紹介する。(モスクワ 遠藤良介)

 ■ロシア帝国主義

 ソ連はこの20年間、地政学上は存在しないように見えるが、政治文化の点では部分的に残存している。ロシアは植民地の喪失を受け入れられずにいる帝国であり、頭の中は帝国のままだ。ロシアは政治、経済、軍事の面で“パートナー”を従属させようとしており、これ自体が「ロシアの脅威」だ。

 ロシアはリトアニアに対する懲罰として、2006年から石油パイプラインを閉鎖したままであり、欧州で最も高い価格の天然ガスをわが国に売っている。ロシアは資源を政治的武器として使っており、わが国はロシアへのエネルギー依存から脱する道を真剣に探っているところだ。

 ■日本も脅迫

 軍事的脅威も現存する。リトアニア北大西洋条約機構NATO)の加盟国であるにもかかわらず、わが国の国境付近でのロシアの軍事行動はたいへん活発だ。隣接するロシアの飛び地、カリーニングラード州には不均衡かつ不適切な軍事力が配備されている

 ロシアは07年、やはりNATO加盟国であるエストニアに国家の全コミュニケーション手段を錯乱させるサイバー攻撃を試し、それを08年のグルジア紛争でも実践した。新しい形態の武器がNATO加盟国に対して使われており、われわれにはこの面での安全保障も重要だ。

 また、ロシアは近隣国の反発を押し切り、フランスの著名なミストラル強襲揚陸艦4隻を手に入れようとしている(昨年12月に露仏が共同建造で合意)。これは防衛兵器ではなく、沿岸国に対するたいへんな攻撃兵器だ。周辺国の頭にけん銃を突きつけながら経済や政治の交渉をするために、ロシアはこうした兵器を欲しがっていたのだ。

 ミストラル級の1隻は北方領土向けとされており、彼らはバルト諸国やグルジアのみならず日本も脅さねばならないと考えているのだろう。

日本は自尊心を

 友人や対等のパートナーは必要なく、自国が恐れられていなければならないというのがロシアの価値観だ。ロシアに対しては自らの尊厳をもって向き合わねばならない。小国には懲罰を受ける懸念からそれが難しいが、日本がロシアを恐れる根拠は全くない

 1991年1月にソ連リトアニアに武力介入した「血の日曜日事件」の後、アイスランドは真っ先にリトアニアの独立回復を承認した。この時のアイスランドですら、ロシア(ソ連)を恐れなかったのだ。

 日本には(北方領土の返還を)要求する権利があり、ロシアには力がある。2つの“文明”、考え方の対立だ。リトアニアのケース(ソ連に対する独立回復要求)でもそうだった。ソ連指導部は我々に権利があると理解はしていたが、力が彼らの側にあった。

 領土問題はロシアの思考(回路)が変わる時、ロシアが小さな島々よりも日本と協力する利益を評価するようになった時に解決するだろう。どれだけの時間がかかるかは分からない。

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最終更新:2月13日(日)15時1分

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自尊心といってもどうすればいいんでしょうね。
仏、ロシアへの揚陸艦売却大詰め グルジアなど反発
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20091130/p2
では、反対国がいろいろと言ってましたね。ロシアはともかく、なんでフランスは周辺国の声を聞かないんでしょうか。

しかしロシアでも日本の主張を取り上げてくれるところもあるようで。
前原外相「ロシアとの戦後は終わっていない」 ラジオ番組に出演

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110213/erp11021300500000-n1.htm

2011.2.13 00:48
 【モスクワ=遠藤良介】ロシアを訪問した前原誠司外相は12日、ラジオ局エホ・モスクブイのインタビュー番組に出演し、「ロシアとの関係で戦後は終わっていない」などと北方領土問題の早期解決を訴えた。

 外相はこの中で北方四島を「日本固有の領土」と強調し、「国際法に照らせば日本の考え方は多くの方々に理解されると思う」と発言。「日本人の多くの心の中には、北方四島が返ってきていない中で、ロシアとの経済関係を全面的に展開することに躊躇がある」とも述べた。

 エホ・モスクブイは国営天然ガス独占企業ガスプロムのグループに属するが、ロシアで自由な報道・言論活動を続けている数少ないメディアとして定評がある。

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ただ、
タイとカンボジアが国境係争地で2度交戦、死傷者も
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20110205/p7
にもありましたけど、

オランダ・ハーグの国際司法裁判所は1962年、同寺院はクメール文化の建築の傑作としてカンボジア領内にあるとの判断を示していた。寺院は2008年7月、カンボジアの申請を受け、世界遺産に登録されたが、タイがこれに強く反発、両国関係が新たに緊張

ということなんで、国際法にどれほどの重みがあるかという気がしますが。

韓国からはこう見られているようです。
領土問題:菅首相、強硬姿勢見せるも通用せず

http://www.chosunonline.com/news/20110214000029
菅直人

 支持率低下で辞任を求める声が高まっている菅直人首相が、人気回復を図るためロシアと中国に対し強硬姿勢を見せたが、逆に反発を受ける格好となった。

 前原誠司外相が最近、北方領土(ロシア側呼称:クリル列島の南側4島)の返還に向けてロシアを訪問したが、成果はなく、軽くあしらわれた格好となった。ラブロフ外相は「日本が主張を変えない限り、領土問題に関する協議には応じない」との意志を表明した。ロシアは1956年の日ソ共同宣言で北方4島のうち色丹島、歯舞島の返還を約束した。しかし今回の日ロ外相会談で、ロシアは4島の領有権を再確認した。ロシアが強硬姿勢を示したのは菅首相の発言に対抗するためだ。菅首相は、昨年11月にメドベージェフ大統領が北方領土を訪れたことに対し「許しがたい暴挙」と非難した。菅首相がロシア大統領に対して強硬姿勢を示したのは、中国やロシアとの領土問題をめぐって弱腰外交との批判を覆すためとみられている。

 日本政府は最近、尖閣諸島(中国名:釣魚島)沖で中国漁船と衝突した巡視船の修理代1429万円を請求する文書を同漁船の船長に送付した。しかし中国政府は「釣魚島とその付属島しょは中国固有の領土だ。日本側は今回の事件に関する行為を深く反省すべきであり、『賠償請求』を求める権利はない」と反発した。

東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員

朝鮮日報朝鮮日報日本語版

ロシアになめられると韓国にもなめられるという事でしょうか。

日本側はロシアに反論しています。
北方領土>枝野官房長官が露外相に反論

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110216-00000067-mai-pol
 枝野幸男官房長官は16日の記者会見で、ロシアのラブロフ外相が第二次世界大戦の結果として北方領土がロシア領になったとの認識を表明したのに対し、「大戦の結果を踏まえても、北方四島がわが国固有の領土であることに変わりない。サンフランシスコ平和条約で結果を受け入れたことと、北方四島が日本の領土であるのはなんら矛盾しない」と反論した。

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【イチから分かる】『北方領土問題』 露大統領訪問は方針の大転換
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20101110/p5
も参照。

杏林大学名誉教授・田久保忠衛 揚陸艦配備の陰でロシア高笑い
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110216/plc11021602530002-n1.htm
2011.2.16 02:50


 ≪見切られた日本の一大弱点≫

 政略と戦略の関係について透徹した理論を持っていたドイツのハンス・フォン・ゼークト将軍の言葉に、「たとえある国の政治家が如何(いか)に平和的な追求をするとしても、政治家はその計画を遂行するに当たって最後の手段を強力な軍に俟(ま)つのである。政治家が如何なる程度までその要求を貫徹しうるか、或(ある)いは他国からの要求を甘んじて受け入れなければならないかということは、軍の威力の如何によって決定されるであろう」(角田順「政治と軍事」)がある。

 戦後体制の中でその軍事を蔑(ないがし)ろにしてきた日本は、ユーラシア大陸の軍事大国である中国、次いでロシアの軍事力の前で無残にも立ち往生している。

 中国の漁船が領海を侵犯し、咎(とが)めに入った海上保安庁の巡視船に衝突してきた事件の顛末(てんまつ)に腹を立てない日本人は少なかろう。が、仮に先方が日本国憲法第9条と同じ条項に基づいて軍事力を専守防衛の枠に縛りつけ、軍事費を削減するなど「平和志向」の国であったら、菅直人首相や仙谷由人官房長官(当時)らお偉方の対応は随分、変わっていただろうと思う。外交面でいくら追い詰められても、結局は国際世論を頼りにするほかない日本の一大弱点を、ロシアと中国は見極めたと思う。

 前原誠司外相のモスクワ訪問に狙いを定めていたとみていい。ロシアのメドべージェフ大統領は、北方領土と千島列島を戦略的地域だとし、最新装備で島々の安保を確保する考えを明らかにした。具体的には、フランスから購入を予定しているミストラル強襲揚陸艦を太平洋艦隊に組み入れて北方領土に配備、択捉島に軍用空港の設置を計画するという。2月11日の前原外相とラブロフ外相との会談で、領土問題はお互いに平行線を辿(たど)ったなどという報道があったが、認識は甘いと思う。軍事力を背景に四島は一島も返還せずに解決しようというのが先方の意思だと考えなければならない。

 ≪ミストラル級の意味考えよ≫

 同強襲揚陸艦4隻をフランスとロシアで共同建造する計画はすでに報じられていたが、うち2隻は千島列島かカムチャツカ半島に至る長い連絡補給路線の防衛を、任務の一部にするそうだ。強襲揚陸を目的とするこの軍艦は2万トン級の大型で、攻撃用ヘリコプター中・大型を含め16機ほどが収容できるし、主力戦車ルクレールだけで12両、他の戦闘車両なら60両程度の搭載が可能だ。ミストラル配備の持つ政治的意味が分からないか、とのクレムリンの高笑いを、菅政権の誰が理解しているか。

 ロシアの意思が那辺(なへん)にあるかは時系列的に事実を辿ればはっきりする。プーチン政権は2期目に入って対日強硬姿勢をとる。北方四島は自国領だと主張し始め、日本漁船に暴力を振るい、9月2日を対日戦勝記念日と決めた。この日は、日本がミズーリ号上で降伏文書に署名した日だ。冗談ではない。大東亜戦争の中で日ソ関係に関する限り、ソ連は一方的加害者で日本は完全な被害者だ。昨年6月〜7月にロシアは択捉島を含むシベリアで陸海空2万の兵を動員、軍事演習「ボストーク2010」を実施した。見え透いたバックグラウンド・ミュージックを背景に、9月27日に北京で中露首脳会談が開かれ、対日戦勝65周年を記念する共同声明が出された。

 以後、メドべージェフ大統領の国後島訪問を皮切りにシュワロフ第1副首相、バサルギン地域発展相、セルジュコフ国防相の相次ぐ北方領土入りだ。国際法尊重を口にし、「法と正義」をこの間、両国で確認し合った事実などは念頭にもないらしい。無法国家の典型だ。北方領土の日の今月7日に菅首相は「許し難い暴挙だ」と珍しく日本人の感情を代弁した。この後、モスクワから発信された北方領土でのロシア軍増強方針に精神が萎えてしまったのだろうか。民主党の外交顧問を自称する外交官出身の某氏がいかにも訳知り顔に、首相発言は外交的配慮に欠けるとテレビで得々としゃべっていた

 ≪軍事軽視で潰える戦後日本?≫

 欧州と異なり、中露を含むアジア地域には帝国主義時代の砲艦外交が幅を利かす事実に、目を背けるわけにはいかなくなった

 戦後体制そのものの日本国憲法を絶対に変えない前提で、意味のないマスコミ用語「いい知恵をしぼってはどうか」、ロシア通の一部にある解釈「大統領選を控えたロシアには政治的事情があるらしい」、7、8年前にハーバード大のナイ教授が唱えた「ソフトパワーの時代が来た」といった数々の遁辞(とんじ)はミストラル揚陸艦、いや1隻の中国漁船の前に何らかの役を果たすのか。軽武装・経済大国を目指す「吉田ドクトリン」も、資金面で国際貢献を果たそうという「ハンディキャップ国家論」も偽善と欺瞞(ぎまん)の代名詞として幻のように歴史の彼方(かなた)に去っていく。

 戦前の日本は軍事力の過信で滅びたが、戦後の日本は軍事力の軽視で潰(つい)えるか。強大な軍事力の存在はわれわれに仮借のない選択を迫っている。(たくぼ ただえ)

まぁソフトパワーという言葉は僕は気に入ってよく使っていますが、国内がここまで混乱して近攻遠交状態になるとは思っていませんでしたし、そもそも

世界テロリズムマップ (平凡社新書)

世界テロリズムマップ (平凡社新書)

でいう、『「近い敵」より「遠い敵」を討て』というような国際テロリストの事を想定して言っていたのですが、というか前も書いたと思うんですけど、国内のことはいろんな人が見てるんで、そこに自分ひとり増えても大して変わらないだろう、でも2chの国際情勢板とか見てると明らかに新聞の国際面も読んでない人が平気で書き込んでいるので、これをネタにしようと思ったのですが、国内しっかりしてくださいってホント頼みますって感じです。

最後に外務省幹部の言葉を。
北方領土】外務省幹部「日露関係、過去何十年で最低水準」と明言 

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110216/plc11021610200007-n1.htm
2011.2.16 10:19

 外務省の上月豊久欧州局参事官は16日午前、自民党本部で開かれた領土に関する特命委員会で、現在の日露関係について「過去何十年を振り返ったときの最低水準に近い」と述べた。ロシアのメドベージェフ大統領の北方領土訪問などで悪化する日露関係を外務省幹部が認めた形だ。

 委員会では参加者から、前原誠司外相の11、12両日の訪露についても「大統領はおろか首相にも会えず、ロシアの立場を一方的に押しつけられて帰ってきただけで、大失敗だ」「領土問題のトラック(交渉)を復活させる見込みがなければ行く必要はなかった」などと厳しい意見が相次いだ。

 これに対し、上月氏は「非常に難しい時期だからこそ直接、乗り込んでやり取りをするのが全体の趣旨だった」と理解を求めた。

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「一方的に押し付けられ」たと言っているのに「やり取りを」したと思っている時点で国内でも話がかみ合っていないようですが、非常に難しい時期は続いていると思うのですが、また乗り込むんですかね。

こういっちゃなにかもしれませんが、日本の選択肢ってそんなに無いと思うので、責任を持って長期的に安定した政権を運営できる人にやってもらいたいと思うんですが、贅沢ですかね。。