<イラク>クルド地域スレイマニアのデモで死者

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110220-00000000-asiap-int
アジアプレス 2月20日(日)10時5分配信

◇アラブ民衆デモ、イラククルドにも影響か? 

18日午後、クルディスタン民主党(KDP)のスレイマニア支部前でデモを行っていた群集に向け、同党の警備担当者が自動小銃などで発砲する事件が起き、すくなくとも死者4人、負傷者50人以上がでた模様だ。

クルドメディアなどが伝えたところによると、デモはアラブ各国で広がる民衆デモに呼応したものと見られ、デモに参加した群衆は「ムバラクの次はバルザニだ」「クルド人の独裁体制も変革のとき迎えている」などのスローガンを叫び、同党の建物に向けて激しい投石を始めた。これに怒った警備担当者が、デモ隊に銃を乱射したため多数の犠牲者がでたという。

イラク北部のクルディスタン地域ではクルディスタン民主党クルディスタン愛国同盟(PUK)の2大政党が支配的であり、スレイマニアはPUKの最大支持基盤。PUK議長を務めるタラバニ・イラク大統領とクルディスタン地域政府のバルザニ大統領は現在、政治同盟関係を維持しており、デモはこれらとは別の勢力の支持者が多数加わっていたと思われる。とくにスレイマニアでは、クルド2大政党支配に対抗する「ゴラン」(変革)という政治勢力が急伸しているほか、旧来のイスラム政党も一定の支持層を持っている。

イラク北部のクルディスタン地域(ドホーク・アルビル・スレイマニア)の3県は、独自の地域政府を形成し、自治議会も持つなど、バグダッドとは距離をおいた実質上の連邦制がとられている。

現在、KDPのマスード・バルザニ議長はクルディスタン地域政府の大統領職にあり、PUKは首相職を担っている

KDP、PUKとも地域政府では圧倒的な権力を有しているが、とくにKDP関係者一族の部族支配を背景とした縁故主義をはじめとして、汚職、失業、社会インフラ整備の遅れなど経済政策にまで一部民衆のあいだで不満が高まっていた。

事件のあった同支部建物はスレイマニア中心部の大通りに面した場所で人通りも多い。

事件後、スレイマニア市には夜間外出禁止令がだされ、アルビルからはクルド防衛組織ペシュメルガ部隊が同市に急派された。

事態を重く見たバルザニ大統領は、直ちに緊急声明を出し、遺憾の意を表明するとともに、同党の関係者とデモ隊の双方に自制を促した。

一方、これに呼応する形で、翌19日にはイギリス・ロンドンにあるイラククルディスタン地域政府KRG代表事務所に、約20人の在英クルド人らが押しかけ1時間近く占拠。銃撃事件に抗議する声明を読み上げたあと、イギリス警察の特殊部隊の説得によって退去した。【坂本卓】

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最終更新:2月20日(日)10時5分

まぁアメリカは自信満々にこういっていたわけですが。
反政府デモ イラク波及せず 米指摘「介入で民主化進展」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110220-00000104-san-int
産経新聞 2月20日(日)7時56分配信

 【ワシントン=古森義久】エジプトでの政権打倒が触媒となり中東に広がった反政府デモや民主化要求の動きがイラクでは起きていない現実が米国の国政の場で指摘されるようになった。米国の軍事介入の結果にせよ、すでに民主化が進んだことがその理由とされ、ブッシュ前政権のイラク政策の再評価にもつながってきた。

 反政府デモが中東諸国に連鎖的に広がっているのに要衝イラクでは政権や統治のあり方自体に抗議する動きが起きていないことについて、まず共和党のマケイン上院議員が「イスラム教の過激派あるいは専制的な政権に民主化を求める動きはいま中東によきウイルスのように広がったが、その種のデモがないのはイラクだけだ」と述べ、イラクではすでに民主化が進んだことを原因として指摘した。

 同党のマコネル上院院内総務も「イラクで今回、エジプトに似たデモが起きていないのは、ブッシュ前大統領やマケイン議員の主唱によるイラクへの米軍増派と平定で民主化が軌道に乗ったためだ」と言明した。

 ブッシュ氏は2005年イラクに対して「自由への課題」と題する民主主義構想を打ち出し、複数政党や自由選挙を実現させた。

 イラクの現状について、15日付の米紙ニューヨーク・タイムズバグダッド発で「イラクは国民一般が民主的選挙で選ばれた政権の統治を受け入れ、反政府デモはない」と報じた。同報道は、イラクの一部には政府への抗議もあるが、公共サービスや雇用、物価への苦情で、政権の打倒運動ではないとも付記していた。

 米国の著名な中東問題専門家ダニエル・パイプス氏も「中東全域でもイラクだけはいま民主化要求デモが皆無だ」と述べ、「イラクではすでに自由な選挙、言論の自由、法の統治など民主主義の要件が備わったからだ」と理由を説明した。

 同氏はまた「ブッシュ氏の中東民主化構想は米国内部でもリベラル派から『イスラムの教徒や教義は本質的に民主主義には合致せず、あまりに非現実的だ』と非難されたが、現在の状況はその非難こそが的外れだったことを証明しつつあるようだ」と論評した。オバマ政権も今では中東の民主化を政策目標に掲げるに至ったが、パイプス氏は「民主主義の促進には時間と手間がかかることと、民主化の名の下にイスラム過激派が権力を握る危険があることを銘記すべきだ」と提言した。

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最終更新:2月20日(日)10時5分

まぁCNNの記事をもとに書いた、
中東・北アフリカに広がる混乱、国別の状況は今(+αでまとめ)
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20110216/p3
では、

イラク

45%の失業率や貧困、食料・電気・水不足に不満を訴える数千人規模のデモが各地で行われている。マリキ首相は自身の報酬を半減し、14年の任期満了後は再出馬しないとしている。

とあったのですけどね。なんか胸糞わるいはなしですね。それだけです。