<英国>アラブ武器輸出許可を批判 下院委員会

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110405-00000095-mai-int
 【ロンドン笠原敏彦】英議会下院の武器輸出管理委員会は5日、英企業がリビアなど中東・北アフリカ諸国へ輸出した武器が民主化デモなどへの国内弾圧に利用されている恐れがあるとし、輸出許可を与えた政府の「判断ミス」を批判した。欧米諸国の一翼としてアラブの強権体制を支えてきた英国の一面を浮き彫りにするものだ。

 同委員会が09年1月から10年9月までの武器輸出許可を調査して報告書にまとめた。それによると、英国は政権が倒れたチュニジアやエジプトのほか、反政府デモが起きているバーレーン、イエメン、シリア、リビアの各国へ武器や軍装備の輸出を許可している。

 具体的には、リビア催涙ガスや戦闘用ショットガンなど、バーレーンに狙撃銃や軽機関銃、戦闘機の部品など、シリアに暗号作成・解読用の装備や弾薬、イエメンに防弾着や暗視ゴーグルなどの輸出を許可した。

 キャメロン連立政権の発足は昨年5月で、輸出許可の多くは前労働党政権によるもの。現政権は、アラブ政変の起点になったチュニジア民衆蜂起を受け、今年1月以降、約160件のアラブ諸国への武器輸出許可を取り消している

 報告書は「現政権と前政権はともに、北アフリカや中東の特定の独裁政権に輸出される武器が国内弾圧に利用されるリスクを読み誤った」と批判。同地域に限らず、世界的に独裁政権への武器輸出を見直すよう求めた。

 貿易促進を外交の柱に据えてきたキャメロン首相は、エジプト政変後も防衛産業の首脳を同行して中東を歴訪し、批判を受けた経緯がある。リビアへの軍事介入で英国が主導的役割を果たす背景のひとつには、傷ついた英外交への信頼を回復したいという狙いもあるとみられる。

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英国の武器輸出を批判するのは簡単ですが、国際的な枠組みでも作らなければ、独裁国家と仲のいい中国とかが武器を代わりに売ってしまうのでどうしようもないでしょうね。独裁国家を減らす努力をした方がいいのかもしれませんが、それも気の遠くなるような作業ですね。一歩一歩進めていくしかないと思いますけど。

とりあえずリビアに関しては
リビア空爆】「監視網をくぐれる者はいない」NATO幹部、武器密輸阻止に自信 

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110405/erp11040510470003-n1.htm
2011.4.5 10:42


4日、反体制勢力の拠点となっているリビア東部のベンガジ近郊で、軍事訓練を受ける義勇兵(ロイター)

 北大西洋条約機構NATO)がリビア沖で実施中の武器密輸の監視活動を指揮する、イタリア南部ナポリの海軍司令部のベリ海軍中将は4日「われわれの任務は成功しており、監視網をくぐれる者はいない」と述べ、国連安全保障理事会決議が定めた対リビア武器禁輸措置の違反阻止に自信を見せた。

 ナポリの港に停泊中のイタリア海軍補給艦エトナの艦上で開いた記者会見で明らかにした。

 ベリ海軍中将らによると、9カ国から16隻の海軍の艦船と2隻の潜水艦が参加し、先月23日からリビア沖の公海上で「武器と関連物資、外国の雇い兵」の出入りを監視。今月3日には西部ミスラタと北東部ベンガジ間を航行中のリビアの引き船1隻について「不審船」として立ち入り検査を実施したが、自衛のための最小限の武器を積んでいるだけと判断して航海続行を認めたという。(共同)

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まぁ今まで売ってきたような人らが監視していて信じられるのかという気もします。できるだけ多くの国が監視網に参加して欲しいものですけれど。