枯れ葉剤、米韓が初の共同調査 地位協定改定求める声も

http://www.asahi.com/international/update/0528/TKY201105280357.html
2011年5月28日19時9分

 在韓米軍が韓国南東部の「キャンプ・キャロル」に枯れ葉剤入りドラム缶を埋めていた疑惑が浮上し、韓国国会で韓米地位協定(SOFA)の改定を求める声が出てきた。米韓当局は27日、初の共同調査に着手し、基地周辺の地下水をとって調査を始めた

 ベトナム戦争で使った枯れ葉剤をドラム缶に入れて埋めた、との元米兵の証言が発端となり、米軍などが調査に乗り出した。枯れ葉剤とみられる化学物質は別の場所に運んで処理したとしているが、具体的な搬送先は判明しておらず、米軍基地を抱える周辺住民らに不安が広がっている。

 国会では与野党の一部議員が地位協定改定に向けた交渉を政府に要求。外交通商省報道官は26日の定例記者会見で「現在のSOFAに不備があれば、補完や見直しの必要があるかを検討する」と述べた。(ソウル=箱田哲也)
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ドラム缶

証言はこれですね。
「在韓米軍基地に枯れ葉剤入りのドラム缶を埋めた」

http://www.chosunonline.com/news/20110520000024
元在韓米軍兵士がテレビで証言

環境部が現地調査へ

 1978年に韓国で勤務していた在韓米軍の元兵士たちが、米国メディアを通じ「韓国に毒物を埋めた」と発言し、環境部(省に相当)が調査に着手する方針を固めた。

 米国アリゾナ州フェニックスにあるKPHOテレビは16日(現地時間)、慶尚北道倭館の米軍キャンプ・キャロルで重装備担当の特技兵として勤務していたスティーブ・ハウス氏など3人の元在韓米軍兵士の発言を放送した。ハウス氏は「1978年のある日、街が一つできるほどの広さの土地を掘るようにとの指示を受け、土を掘り始めた。そして『エージェントオレンジ(枯れ葉剤の一種)』と書かれたドラム缶を埋めた。あの日のことはいまだに忘れられない」と語った。

 ハウス氏たちが埋めたものは、黄色またはオレンジ色の文字が書かれた55ガロン(208リットル)のドラム缶で、その一部には「ベトナム地域コンパウンドオレンジ」と書かれていた、とハウス氏は話した。同氏は「処理する物があるから、とにかく溝を掘れ」と指示されたという。

 また、ハウス氏と一緒に勤務していたロバート・トラビス氏は「倉庫に250個のドラム缶があり、これを一つ一つ手で押して運び出したと記憶している。誤ってドラム缶から漏れた物質に触れたときには、全身に発疹ができるなどの問題が生じた」と語った。

 ベトナム戦争当時、米軍が大量に散布したことで知られる枯れ葉剤は、発がん性物質ダイオキシンを含む化学物質で、草木を枯死させるほど毒性が強い。

 これに対し環境部は19日「キャンプ・キャロル周辺での現地調査や専門家会議などを経て、枯れ葉剤による地下水や河川の汚染の有無など、環境への影響について調査を行う方針だ」と発表した。同部の関係者は「在韓米軍に対し、枯れ葉剤を埋めた場所など、具体的な事実関係を確認するよう求めたが、米軍側は『過去の記録など、関連する資料を調査中だが、現在のところ問題の記録は見つかっていない』と回答した。キャンプ・キャロル内部で米軍との共同調査を行うことも可能だ」と話した。一方、米陸軍第8軍(ソウル・竜山基地に本部を置く部隊)はこの日「必要ならさらなる調査を行う方針だ」と発表した。

 第8軍の報道官を務めるジェフ・プチカウスキー中佐は「関連する証言を裏付ける記録があるかどうか把握する一方、環境専門家に対し、問題を解決するためにはどのような措置を講じられるかについて照会している」と語った。

ユ・ヨンウォン記者

朴恩鎬(パク・ウンホ)記者

朝鮮日報朝鮮日報日本語版

で、ダイオキシンは確かに出ているようです。
在韓米軍:基地内で基準を超えるダイオキシン検出

http://www.chosunonline.com/news/20110524000020
米軍「倭館の米軍基地のドラム缶は、1-2年後に別の場所へ移した」

枯れ葉剤

 慶尚北道漆谷郡倭館邑の在韓米軍基地「キャンプ・キャロル」内の土壌から、米国の環境保護庁(EPA)が定めた環境基準を上回る濃度の発がん性物質ダイオキシン」が検出されたことが分かった。

 米第8軍司令部は23日「ヘリポートの周辺などキャンプ・キャロル内の13カ所で2004年にボーリングを行い、土壌サンプルを調査した結果、12カ所ではダイオキシンが検出されなかったが、1カ所から1.7ppb(1ppbは10億分の1。0.0000001%に相当)のダイオキシンが検出された」と発表した。米軍側はこのダイオキシン濃度について「健康に害を及ぼさない程度に微量」と発表した。しかしEPAの環境基準(1ppb)に比べ1.7倍高い。ダイオキシン世界保健機関(WHO)が定めた1級発がん性物質で、枯れ葉剤に含まれている。

 米第8軍司令部は「78年に枯れ葉剤を大量に埋めた」という退役軍人の発言について「当時、化学物質や殺虫剤、除草剤、ソルベント溶液などが入った多数のドラム缶が埋められたが、79年から80年にかけて、これらのドラム缶と相当量の汚染土壌が別の場所に移され、処理された」と発表した。

 ジョン・D・ジョンソン米第8軍司令官(陸軍中将)は「キャンプ・キャロルで、78年に特定の物質が埋められたという記録を発見した」という趣旨の発言を行った。米第8軍によると、こうした内容は、米国陸軍工兵隊が92年に作成した研究報告書に記録されていたという。ただしジョンソン司令官は、78年にドラム缶ごと埋められた化学物質や除草剤などに枯れ葉剤が含まれているかどうか、79-80年に掘り出した後、どこでどのように処理したかについては明らかにしていない。

 また米第8軍司令部は、米国陸軍工兵隊の研究報告書にある一部の資料などを、韓国政府の関係者にも提供したという。韓国政府は早ければ今週中に、米軍と共同でキャンプ・キャロルやその周辺の環境調査に本格的に着手する予定だ。

ユ・ヨンウォン記者

朴恩鎬(パク・ウンホ)記者

朝鮮日報朝鮮日報日本語版

基地内だけでなく周辺の地下水も汚染が見つかったようです。
在韓米軍:基地周辺の地下水からダイオキシン検出

http://www.chosunonline.com/news/20110527000006
 慶尚北道漆谷郡倭館邑の在韓米軍基地「キャンプ・キャロル」近隣の地下水から、発がん性物質ダイオキシンが検出された

 ダイオキシンは、1978年に同基地の敷地内に埋められた疑惑が提起されている枯れ葉剤に含まれる環境汚染物質で、大気や土壌、河川からは時折検出されるが、地下水から検出されるのは非常に珍しい。今回地下水から検出されたダイオキシンが、キャンプ・キャロルに埋められた化学物質に由来するかどうかは、まだ確認されていない。

 複数の消息筋が26日に語ったところによると、慶尚北道がポステック(旧浦項工大)のA教授チームに依頼し、今月22日からキャンプ・キャロル周辺3カ所で地下水の水質検査を行った結果、1カ所で採取した試料からダイオキシンが検出されたという。現在、試料の精密分析を進めているとのことだ。検出量は微量とされるが、専門家らは「地下水から少しでもダイオキシンが検出されたなら、住民の不安を解消するため使用を中止すべきだ」と指摘している。

 ポステックのA教授は「26日午前に一次的な検査結果を慶尚北道に伝えた。地下水の使用を続けるかどうかは道が判断すべきだ」と話した。また、重要な事案のため、汚染されていない地下水との比較・分析を行うなど追加調査を進めているというた。環境部(省に相当)もこうした事実を把握しているとのことだ。

朴恩鎬(パク・ウンホ)記者

崔洙豪(チェ・スホ)記者

朝鮮日報朝鮮日報日本語版

まぁ日本の放射能汚染への対処が問題になっていますが、海外ではどう対処するでしょうね。