「日本に核兵器使わない」=異例の具体的国名言及−中国高官
だいぶ古い記事なんですが、本を読んでいて思い出したので。
【ジュネーブ時事】中国外務省の※(※=マダレに龍)森軍縮局長は19日、ジュネーブの国連欧州本部で「日本に対し核兵器は絶対に使わない」と述べた。中国は核兵器を先制使用しない政策を掲げているが、政府高官が具体的な国名に言及するのは異例。核兵器のない地域で「いかなる状況下でも中国は核兵器を使わない」と強調した。
北朝鮮問題については「相互信頼の欠如が最大の課題」と指摘。対立激化が「危機をあおる悪循環をもたらす。関係国は膝を交え対話すべきだ」と訴えた。(2013/04/20-07:08)
まぁ中国はこう言わざる得ないでしょうね。日本としてはそういわれても信じていいものやらという感じがしますが。特にに『核兵器のない地域で』と言っていますが、今後非核三原則が見直されたりするとアメリカの核があるじゃねぇかと言われかねません。それに今は北朝鮮も核を撃ちかねない時代ですし。
読んでいた本は、
- 作者: ケビンメア,田原総一朗,Kevin K. Maher
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です。買ったのは古本屋ですが、野田政権時の本です。田原総一郎氏の、日本は核兵器を持つべきという意見にケビン・メア氏は反対していますp206〜。核より通常兵器で抑止力を持てと。“今”の日本に関しては僕もそう思います。
歴史上核保有国が核を持った理由で知っているのは、英仏の場合は、スエズ危機(第二次中東戦争)でエジプトのスエズ運河国有化を軍隊で止めようとした英仏イスラエルに対して、軍事力の使用に極端に慎重だったといわれる米アイゼンハワー大統領が、ソ連との対立を避けるためソ連と手を組み英仏イスラエルに即時全面撤退を通告し、ソ連が英仏に対してそうしなければ核を使うと匂わせたことです。
この事で英仏は同じ連合国の米国とはいえ、国益が常に一致するとは限らないと悟り自前で核兵器を持たなければいけないと考え核兵器保有にいたったと昔読みました(イスラエルの核保有に関してはそこには書いてありませんでした)。ヨーロッパで歴史的に敵国だった仏独は、独の分割によって初め仏が敵国と国境を接しなくてよくなったという状況の中で行われた事です。
また中国ですが、
- 作者: 平松茂雄
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(出版社がアレですがw)のp41または、pp79-80によると、中国はアメリカから何度か核恫喝を受けたそうです。
一回目は1950年10月に朝鮮戦争に参戦して、国連軍を北緯38度線まで押し戻したとき。二回目は1954年4月にインドシナ戦争で、支援したホーチミンの革命軍の攻撃によってフランスが、ディエンビエンフ−の戦闘で敗退したとき、三回目は1955年1月、台湾に面した大陳島を攻略したとき米国は空母を派遣し、あるいは「原爆を落とすぞ」と脅した。
こうして米国は 何回も「原爆を落とす」と脅して中国の軍事行動をけん制したのだ。そこで毛沢東は原爆と空母がなければ米国に対抗できないことを知った。p41
えーとでめんどくさいので手短に書くと、中国はソ連から核開発後の援助を受けられなかったので、軍隊の近代化を後回しにしました。しかし中国の奥地のほうで核開発すれば、ソ連もアメリカも日中戦争や国民党の泥沼を思い出して手出しできません(衛星を使った長距離核ミサイル誘導もまだありませんでした)。また毛沢東の決断は数千万の餓死者をだす結果にもなりました。しかし中国は動じません。そういう中国だからできた事です。
以上英仏中の核開発ですが、日本が同じ事ができる状況にいるとは思えません。別に核兵器反対だから日本の核製造に反対するわけではなく、まぁ核恫喝を受けていなければ日本がNPTを脱退することも国際的な理解を得られるとは思えません。まぁ日本にはプルトニウムや人工衛星を大気圏再突入させる技術はあるのだから、核兵器はすぐに作れるとメア氏も言っているので、ここは我慢という感じではないでしょうか。