パキスタン 赤いモスク、渦巻く反発 イスラム過激派、隠然

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071017-00000087-san-int

 パキスタン情勢をめぐる国際社会の関心は今、同国最大野党パキスタン人民党(PPP)の総裁、ブット元首相が18日、8年ぶりに帰国し、軍事政権体質を引きずって国民に不人気のムシャラフ政権と権力を分かち合うという、“政治的実験”の行方に注がれている。それにより、同政権の基盤を強化でき、政権に民主的装いも施せて、民心の離反やイスラム過激派の浸透を食い止められるかどうかとの観点からである。だが、同教徒への過激派の影響力を押さえ込んでいくのは容易ではなさそうにみえる。(イスラマバード 菅沢崇)

 今年7月、イスラム教神学生たちが同政権による取り締まり強化に抵抗して立てこもり、制圧作戦で多数の犠牲者が出た同国の首都イスラマバードにある礼拝堂「赤いモスク」がこの3日、約3カ月ぶりに再開した。

 付属神学校の校長にはモスク制圧で死亡した急進派アブドル・ガジ師に代わって、師と関係が深かったモラナ・ガファール師が就任し、モスクが今も反ムシャラフの拠点のひとつであることを改めて印象付けている。

 立てこもり事件当時、男子神学校の教諭だったガファール師は「政府代表と学校関係者間で、ガジ師と幹部の投降、生徒の降伏を条件に内々に交渉はまとまっていた。政府代表が話を持ち帰り解決の手はずを待っていた数時間で生徒らは急襲され、ガジ師は殺された」と制圧作戦を非難する。

 「神学生は75人」とした犠牲者数の当局発表にも、同師は「200人以上の女子神学生の命を失ったのを目の当たりにしたわれわれにも同様に説明するのだろうか。死亡した男子生徒数十人は遺体すら家族に引き渡されていない」と反論する。

 そして、制圧作戦に、「テロとの戦い」でムシャラフ政権を味方に付けている米国の影もみて、「反米感情や政府への反発は、こうしたやりきれない事態の中で増幅される」と語気を強めた。

 立てこもった女子神学生の多くは、アフガニスタンとの国境に近い北西辺境州・部族地域の出身者だった。アフガンのイスラム原理主義勢力、タリバンが出撃拠点にしているこの地域では、テロ組織討伐作戦を進める政府への反感から、住民が急進化しているという。

 同州の州都ペシャワルではこの9日、レコード店に対する爆弾テロが起きて18人が負傷した。「これまで部族地域の周辺都市と考えられていた所でテロが頻発しだしており、武装勢力は明らかに活発化している」と、当地の消息筋は語る。

 こうした中、イスラム武装勢力と軍との衝突が7日、部族地域の北ワジリスタン地区で反政府勢力65人、軍兵士20人が死亡した戦闘で本格化した。

 同国英字紙ドーンによると、9日には、軍が戦闘機で同地区の山村を爆撃し、双方で250人余が死傷した。目撃者の話では、子供を含む一般住民も巻き添えになっており、地区内の約5万人がトラックなどで居住地を離れて避難したという情報もある。

 先の消息筋は「力で押さえつけても、子供を失った家族はまた反発、悪循環の連鎖が断えない。イスラム過激派の拡大はタリバン中心の武装勢力だけのものではない」と指摘する。

この太字にした部分は、
モスクろう城:「降伏」合意後に軍が突入 大統領側がほご
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070716/1184548961
と大体内容あってる感じですね。あと今日はブット元首相の帰国予定日ですね。