野党が連立参加へ=統一政府、来月発足−ジンバブエ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090130-00000269-jij-int

 【ロンドン30日時事】ジンバブエからの報道によると、野党・民主変革運動(MDC)のツァンギライ議長は30日、ムガベ大統領率いる与党のジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU−PF)との連立に同意したことを明らかにした。2月半ばに新政権が発足する見込み。昨年3月の大統領選を発端とする政治危機は、野党の譲歩でようやく打開へと動きだした。

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え、野党の譲歩?と思ったのは僕だけでしょうか。

しかし毎日新聞でも見出しは、
ジンバブエ>野党が連立政権受け入れ 2月に新政権発足
と「野党が連立受け入れ」とありますね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090131-00000021-mai-int

 【ヨハネスブルク高尾具成】アフリカ南部ジンバブエの最大野党、「民主変革運動」(MDC)は30日、ムガベ大統領率いる与党「ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線」との連立政権樹立を決定した。来月13日にも新政権が発足する。昨年3月の大統領選後、与野党対立による混乱が続いていたジンバブエは、事態打開に向けて動き始めた。

 ムガベ大統領とMDCを率いるツァンギライ議長は昨年9月、連立政権を組み議長が首相に就任することで合意。しかし、市民への弾圧を防ぐため軍や警察を管轄する治安担当閣僚のポスト確保を主張するMDCと、これを拒否する与党側の対立が解消せず、連立協議は暗礁に乗り上げていた。

 しかし、ジンバブエ国内は年率2億%を超すインフレによる経済悪化やコレラ禍で、市民生活は困窮を深めており、政治危機脱出が緊急の課題。与党による単独組閣や国内の一層の混乱を恐れるMDCは30日、首都ハラレで党会議を開催し、閣僚ポストの配分の決定を先送りして連立政権入りに踏み切った

 今後、連立政権下でMDCがどこまでムガベ大統領の独裁色を薄められるかが焦点となる。MDCは、連立政権は国家再建に向けた暫定政権との見方も示しており、与野党の意見対立から新政権が分裂する懸念もある

 与野党の仲介役「南部アフリカ開発共同体」(SADC)によると、2月5日に首相ポスト設置などの憲法改正が行われ、同11日にはツァンギライ議長が首相に就任。13日には閣僚の宣誓も行われ新政権が発足する見通し。

 【ことば】ムガベ大統領
 80年のジンバブエ独立の英雄。87年に大統領に就任。植民地主義を厳しく批判し92年、白人所有の農地を接収し黒人農民に分配する土地収用法を制定。00年以降、収用を本格化させ、欧米の批判を受け孤立化した。昨年の大統領選では、6月の決選投票を前にムガベ派の暴力激化を理由にツァンギライ氏が撤退。ムガベ氏は5選を宣言したが、欧米は経済制裁を強化。その後、SADCが仲介に乗り出し、与野党は9月、連立政権樹立に向けた協議開始で合意していた。

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過去のエントリでは、とりあえず
ジンバブエ>連立協議は不調 米がムガベ大統領退陣を要求
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20081222/1229958330
とありました。別にアメリカが大統領退陣を要求したから与党が引くべきと思うわけではなく、

最大野党「民主変革運動」のツァンギライ議長は19日、隣国ボツワナで、同党メンバーらの拉致・行方不明者が続出していることを受け、地元記者らに「新年までに解放されない場合、連立政権に向けた協議を中止する」と語った。

とか連立合意では、
同エントリ内
2008/9/15
ジンバブエ、連立政権合意 ツァンギライ議長が首相に

ツァンギライ議長が首相として内閣を指揮する。
[...]
合意では、31ある閣僚ポストのうち、15閣僚を与党「ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU―PF)」が、残り16閣僚をMDCとMDCの分派が分け合う。

また同じエントリで、
ジンバブエ野党指導者、連立政権離脱の可能性を警告

ツァンギライ氏は11日に発表された閣僚名簿で、国防相や内相、外相、鉱業鉱山開発相といった主要ポストに、与党ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU―PF)の党員が指名されたことを批判。

と野党メンバーが拘束されたり、あと野党のツァンギライ議長が内閣を指揮というのの権限がどの程度だったのか分かりませんが、与党が主要ポストを押さえたことが問題なんじゃないでしょうか。

「政府転覆計画」の罪で人権活動家を訴追 ジンバブエ
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20081226/1230245683
で、拘束されていた野党メンバー他が、もしかしたら一部かも知れませんが解放されたり、公正とはいえないかも知れませんが一応裁判にかけられたと思います。これは与党側の譲歩だと思うのですが。

で、最初の記事の赤字閣僚ポストの配分の決定を先送りも与党側の譲歩のような… 細かいことに突っ込んでもしょうがないですけど、野党を無意味に責めてるような気がします。まぁ野党もムガベ大統領はジンバブエ独立の英雄と分かっているので、
ジンバブエ大統領選「野党勝利ならクーデターの恐れ」 国際シンクタンク指摘
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080521/1211374295
のような事も意識して強い要求はしていないのかも知れませんが。