<ウィキリークス>FBIに捜査依頼 アフガン資料流出で
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100731-00000050-mai-int
【ワシントン古本陽荘】内部告発文書をインターネット上で公開する「ウィキリークス」にアフガニスタン戦争に関する米軍関連の秘密資料が流出した問題で、米国防総省が連邦捜査局(FBI)に捜査協力を依頼した。内部告発者を対象とする国防総省内の捜査にとどまらず、情報の提供を呼びかけたウィキリークスを視野に捜査対象を拡大しようというもの。FBIの捜査が実際に行われた場合、表現の自由をめぐる議論に発展しそうだ。
ゲーツ国防長官は29日の会見で「捜査は必要とされる範囲まで広げられるべきだというのが私の立場だ。FBI長官に協力を求めたのは、それを担保するためだ」と表明。民間人であるウィキリークス関係者への捜査拡大を念頭に置いていることを示唆した。表現の自由を侵害しないかという質問には、直接的な回答を避けた。
米ニューヨーク・タイムズ紙によると、FBIを管轄する司法省は、秘密の暴露を促した行為が、国家機密の漏えいを禁じたスパイ法違反で立件できるか協議を始めた。だが、専門家の間には、ウィキリークス編集長のアサンジェ氏がオーストラリア人であることなどから立件は困難との指摘が出ている。
一方、公開された秘密文書には、情報提供者の実名が含まれていることが判明した。ゲーツ長官は「潜在的には極めて深刻なダメージを与える」と強く批判し、「今回の情報流出で米国は信頼回復に相当な労力を要することになる」と語った。
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一応どんな情報が漏れたかというと。
■アフガン機密文書、だれが流した…戦争が嫌で?
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100728-OYT1T00204.htm
【ワシントン=黒瀬悦成】アフガニスタン戦争に関する米軍や米政府機関などの機密文書約9万2000点が民間サイト「ウィキリークス」に流出した問題は、アフガン戦争が長期化する中、米国内に広がり始めた厭戦気分が関係者の「内部告発」を助長した可能性が大きい。
米同時テロへの報復として開始された「正義の戦争」が泥沼化しつつあることへの嫌気を象徴的に示す事件と言える。
今回流出した文書は、2004年1月〜09年12月に米軍などが収集した作戦情報が大半。パキスタン軍統合情報部(ISI)と旧支配勢力タリバンが裏で結託していることや、アフガン政府高官の汚職体質、米軍の攻撃の巻き添えによる民間人死者の拡大の実態などが記述されている。
内部告発情報の公開を目的としたウィキリークスは、ベトナム戦争下の1971年に米政府職員が米政権の東南アジア政策に関する機密文書をニューヨーク・タイムズ紙に持ち込み、米国内の反戦世論の流れを決定づけた国防総省秘密文書(ペンタゴン・ペーパーズ)漏えい事件を強く意識しているとされる。
しかし、当時の文書が、ジョンソン政権が国民に隠していたベトナム戦争の実態を暴露する内容だったのに対し、今回の文書で現時点で判明している内容は、既に報道や議会証言などで公になっているものがほとんど。流出した量が膨大であるため、国防総省は、重要機密が含まれているかどうか最終確認するのに「数日かかる」としているが、ギブス米大統領報道官は、「目立った新事実はない」と強調した。
世論の関心はだれが文書を流したかに移りつつある。米政府も捜査を始めた。
複数の米メディアによると米軍は、先に米軍ヘリがイラクで非武装の民間人を攻撃しているビデオ映像などを同サイトに渡したとして起訴された、ブラッドリー・マニング陸軍上等兵が今回も関与した可能性を捜査している。同上等兵は、バグダッドで情報分析官として勤務していた2007年当時、機密文書を読んでいるうちに米国の外交政策に幻滅したとされる。
作戦遂行上への影響という以上に、対テロ戦争の暗部が機密文書の形で公表されて話題を呼び、「正義の戦争」への疑問が広がること自体が、戦争遂行という国家意思を鈍らせるボディーブローになってくる。すでに、インターネット上などでは、今回の確信犯的な「反戦」行為を英雄視する声も出ている。
戦争に疑問を抱く米軍関係者が追随して内部告発に走る恐れも十分にある。今後、機密情報の流出が度重なれば、米軍にとって最悪の事態だ。
(2010年7月28日10時54分 読売新聞)
HUMINTにかかわる問題なんでしょうけど、情報提供先のアメリカが危うくなれば情報提供元も危険にさらされるということですね。出来るだけこの世界から秘密というものがなくなるのを望みますが。