国連事務総長に訴え 北京の国連施設周辺でウイグル人デモ

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110125/chn11012522380048-n1.htm
2011.1.25 22:38 (1/2ページ)

 【北京=矢板明夫】北京市北東部にある国連駐中国事務所周辺で25日午前、約20人のウイグル人陳情者が「私たちを助けて!」などと叫びながらデモ行進し、潘基文国連事務総長宛ての「直訴文」を国連スタッフに手渡そうとしたが、警察隊に阻止された。故郷の新疆ウイグル自治区への強制送還や収監される危険を冒してまでデモを敢行した背景には、「中国の人権と少数民族問題に対する国際社会の関心が最近薄れている」(陳情者)との危機感がある。

 同事務所周辺に集まったのは、北京市南駅近く陳情村などで暮らすウイグル人たちで、親族が冤(えん)罪(ざい)で投獄され、財産が不当に没収されたなど、地方政府や警察当局とトラブルを抱えている。すでに10年以上も陳情生活を送っている人もいる中央政府の民政省や、最高人民法院最高裁)などに陳情を繰り返してきたが、全く相手にされていないという。

 ウイグル人たちは胡錦濤国家主席の訪米に際し、「米国は人権と少数民族問題で中国政府に本格的に圧力をかけるのではないか」と大きな期待を寄せていたが、米中首脳会談で、自分たちの状況改善につながるような実質的な協議が行われなかったことを知り、落胆。今回の直訴を決意したという。

 自分の発明特許の権利が会社に奪われたうえ、解雇されたという元中国石油の職員、ウマイアルジャン・アブラさん(50)は「諸悪の根源は中国政府が実施している少数民族への差別政策にある。このまま何も行動しないといつ抹殺されるかわからない」と語った。アブラさんは、国有企業との間で経済トラブルを抱えたことで「新疆独立分子」との汚名を着せられ、地元警察から指名手配を受けている。

 また、所有する土地を地元政府に強制収用された上、それに抗議する84歳の父親が精神病院に強制入院させられたというアブドイムさん(38)は、「国連と国際社会は私たちの唯一の希望だ。私の悲鳴にぜひ耳を傾けてほしい」と訴えた

 この日のデモ計画は事前に警察当局に漏れたため、当日午前、同事務所周辺には私服を含めて約200人の警察官が待機していた。同事務所から約1キロ離れた場所で集合し出発したデモ隊は約500メートル行進したところで止められた。

 外国人記者らもいたため、警察は逮捕などの強硬手段はとらず、参加者を移動させ、解散させた

奇しくも事務総長にたいする批判が出たばかりでした。
国際人権団体、国連事務総長を名指し批判

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110125-00000783-yom-int
 【ニューヨーク=柳沢亨之】国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」(本部・ニューヨーク)は24日に発表した今年の年次報告で、潘基文(パンギムン)国連事務総長について、中国などの人権侵害を「批判する気がない」と名指しで批判した。

 国際人権団体が事務総長を公然と批判するのは異例

 報告は序文で、国際社会が近年、経済関係への配慮などから人権弾圧を見過ごしていると指摘し、潘事務総長の対応は「特に消極的」と評した。事務総長が昨年10月、ノーベル平和賞受賞の劉暁波氏釈放を要求せず、昨年11月の胡錦濤・中国国家主席との会談でも人権問題を取り上げなかったと明記した。これに対し国連副報道官は24日の記者会見で、「事務総長は人権擁護に最も効果的な方法を戦略的に判断している」と反論した。

ウイグルの人には同情はしますが、なにもできませんね…