<コートジボワール>元首相支持部隊、南部最大都市にも攻撃

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110401-00000135-mai-int
ヨハネスブルク高尾具成】昨年11月末の大統領選決選投票で野党候補が当選しているにもかかわらず、バグボ前大統領が居座りを続け混乱している西アフリカ・コートジボワールで、当選したワタラ元首相を支持する軍隊が1日までに国土のほぼ全域を掌握南部の最大都市アビジャンで前大統領派への攻撃も続行している。国際社会も一致してバグボ前大統領退陣を迫っており、選挙の混乱が元首相派の武力で決着するかどうか、緊迫した状態が続いている。

 元首相側はアビジャンにある国営放送局を支配下に置き1日、国境を封鎖した。さらに、3日までの夜間外出禁止令をアビジャンに発令した。

 陸軍参謀総長が3月30日、南アフリカに亡命を求めるなど軍に離反者が続出。前大統領の孤立・弱体化が進んでいる。元首相派はバグボ前大統領の住居への攻撃も続け、前大統領の殺害や拘束も視野に入れている。

 元首相の支持部隊は3月28日から攻勢を強め、30日に首都ヤムスクロ支配下に置くなど前大統領の拠点を次々と奪取し、アビジャンに攻め上った。

 カーソン米国務次官補(アフリカ担当)は31日、コートジボワールが内戦に直面しているとの認識を示し、バグボ前大統領に対し「流血を避けて辞任する機会はある」と強調した。混乱を招いた要因はバグボ前大統領にあり、責任を追及する考えも示した。国連安保理も30日、前大統領や妻、側近など5人に対する資産凍結などの制裁決議を全会一致で採択。国際社会はバグボ前大統領退陣で足並みをそろえている。

 昨年の大統領選でバグボ前大統領は「ワタラ氏当選」の選管発表を受け入れず、双方が大統領就任を宣言する異常事態となった。

 北部を支持基盤とする元首相派と南部で強い前大統領派が衝突を繰り返し、これまで460人以上が死亡、推定100万人が避難民化している。

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国際社会の一致っぷりは、
コートジボワールに制裁案=ICC付託、重火器禁止も―安保理
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20110331/p1
など。選挙の混乱ぶりは、
国連「深い懸念」表明 コートジボワール政情混乱
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20101206/p3
など。