<米国>パキスタン対テロ同盟に亀裂 軍最高幹部互いに批判

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110421-00000074-mai-int
 【ニューデリー杉尾直哉】米軍トップのマレン統合参謀本部議長は20日、パキスタンで会見し、パキスタン軍情報機関(ISI)がアフガニスタンの旧支配勢力タリバン一派と「関係を維持している」と指摘、「(米パ関係を)非常に困難にしている」と批判した。パキスタン軍トップのキヤニ陸軍参謀長はこれに先立ち、米国がパキスタン側で続ける無人機攻撃を「許されない」と指弾しており、7月のアフガン駐留米軍撤退開始を前に「対テロ」同盟の亀裂は一層深刻化している。

 マレン氏は戦況などを確認するためアフガンを訪問後、パキスタンで21日にキヤニ氏と会談したとみられるが、内容は不明だ。

 報道によると、マレン氏が会談に先立つ会見で、ISIが「関係を維持している」とした武装集団は通称「ハッカーニ・ネットワーク」。旧ソ連のアフガン侵攻期(79〜89年)にパキスタンを通じ、米国の支援を受けてソ連軍と戦ったアフガン人のジュラルディン・ハッカーニ師が率いる。01年のアフガン戦争開始直前に当時の支配勢力タリバンに同調。現在は、アフガン政府幹部らの暗殺や駐留米軍を狙った自爆攻撃を強化している。

 マレン氏は、ハッカーニ師らが潜伏しているとされるパキスタン北西部の部族支配地域「北ワジリスタン地区」への攻撃をパキスタン軍が避けているとの認識を示し、パキスタンの姿勢を批判した。

 米パ関係が特に悪化した発端は、今年1月、米中央情報局(CIA)嘱託職員がパキスタン東部ラホールで地元の若者2人を射殺した事件。この職員が遺族に和解金を払うなどして釈放された直後の3月、CIAが無人機でパキスタン北西部を空爆した。

 一方、こうした情勢下、アフガンのカルザイ大統領は16日、同国を訪れたギラニパキスタン首相と会談し、タリバンと和解を目指す合同委員会の設置で合意。オバマ米政権はカルザイ政権を「汚職体質」などと非難し溝を深めており、「米国抜き」で当事国同士が和平構築を模索する動きが進んでいる

 マレン氏のいら立ちは、こうした動きへの米国の焦りも反映しているとみられる。

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アメリカとパキスタンの関係は悪くなる一方のような気もします。他にも悪いニュースがあります。
米の無人偵察機が攻撃、25人死亡…パキスタン

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110422-00000858-yom-int
 【イスラマバード=横堀裕也】パキスタン北西部の部族地域北ワジリスタン地区で22日、米国の無人偵察機によるミサイル攻撃が行われ、AP通信によると、ミサイルは家屋に命中し、少なくとも25人が死亡した。

 地元テレビは犠牲者に子ども5人、女性3人が含まれていたと報じており、攻撃が誤爆とすれば、激しい反米感情につながることは必至だ。

 パキスタンは米国の無人機攻撃を厳しく批判しており、キアニ陸軍参謀長も20日にパキスタンを訪問したマレン米統合参謀本部議長に対し、「無人機攻撃は国民感情を逆なでしている」と懸念を伝えていた。

これも
無人機基地」から米軍要員が撤退か、パキスタン西部

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110423-00000012-cnn-int
イスラマバード(CNN) パキスタン情報機関当局者は22日、米軍無人武装偵察機の出撃、給油拠点として使っていたとみられる同国西部バルチスタン州南部にあるシャムシ空軍基地から米軍要員が撤収したと述べた。CNNに明らかにした。

米軍当局者もシャムシ基地に米軍はいないと述べた。要員撤退の時期や、パキスタン政府の要請に応じた撤収なのかなどは不明パキスタン内に存在する米無人機の基地の数なども分かっていない

米軍は、アフガニスタンから移動し、パキスタン北西部の部族地域に拠点を築いた国際テロ組織アルカイダイスラム過激派タリバーン系の勢力への無人機攻撃を加速しているが、民間人が巻き込まれて死亡する例が絶えず、パキスタン内で反発がくすぶっている。また、同国では最近、米中央情報局(CIA)の契約要員がラホールでパキスタン人2人を射殺する事件が起き、反米感情が強まっていた

部族地域の北ワジリスタン地区では22日、無人機によるとみられるミサイル攻撃があり、25人が死亡、うち8人は民間人との情報がある。3月17日には、44人が死亡し、その大多数が一般住民とされる攻撃もあった。22日の民間人死亡について米政府当局者はこれを裏付ける証拠はないと反論している。

部族地域などでの無人機攻撃についてはパキスタン政府は黙認しているともされるが、民間人死亡の多発による国内世論の硬化でパキスタン軍幹部や政府高官からも批判が出始めている。

CNNの集計によると、パキスタン北西部などで起きた米無人機の攻撃は今年これまで20件。昨年は計111件だった。オバマ大統領の就任後、件数は激増していた。

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でもこういうニュースもあります。
米国がパキスタン無人偵察機「レイブン」85機供与へ 

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110422/amr11042210130002-n1.htm
2011.4.22 10:07


19日、ペシャワルの国連施設で帰国のバスを待つアフタニスタン難民の少女(AP)

 ロイター通信は21日、米軍当局者の話として、米政府が無人偵察機85機をパキスタンに提供すると報じた。パキスタン政府は米国の無人機による爆撃を何度も非難してきた一方で、無人機に関する技術提供を求めていた。

 提供するのは映像撮影機能などを備えた小型無人機「レイブン」で、翼長1.4メートル、重量1.9キロ。航続距離は短く、パキスタン北西部部族地域で武装勢力掃討作戦の一環として、米中央情報局(CIA)などが使用している爆撃可能な無人機ではないという。

 これとは別に米政府は、より大型で航続距離の長い無人偵察機「シャドー」も提供する方針。(共同)

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まぁパキスタンが自分で無人機を使った方が、パキスタンにとってはいいかもしれませんが。