<アフガン>ISAFの独軍同行ルポ 「気がめいる日常」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071021-00000002-mai-int

 【クンドゥズ(アフガニスタン北東部)小谷守彦】アフガニスタンで治安維持にあたる国際治安支援部隊(ISAF)のドイツ軍に同行し、政情不安定なアフガン北部に入った。17日にパトロール中の独軍部隊が砲撃を受け、基地には2週間前に撃ち込まれたロケット弾の貫通跡が残る。5月に武装勢力の自爆攻撃で兵士3人を失った記憶は薄れていない。「気がめいる。これが日常だ」。張りつめた空気の中、兵士の一人が力無く語った。

 アフガン復興を支援する独軍の「地方復興チーム」(PRT)が拠点を置くクンドゥズ。その西約10キロの村で5日夕、独軍車両が基地に戻ろうと細い路地に入った時、男が脇道から飛び出し自爆した。兵士3人とアフガン人通訳1人の肩や胸に爆弾の破片が突き刺さった。「彼らは爆風で両耳や目もやられた。逃げる間もなかった」。案内役のボーン中佐は顔をしかめ、黙り込んだ。

 高さ4メートルのコンクリート壁に囲まれた基地に入ると、幹部棟の玄関脇にひっそりと小さな石碑が立つ。基地周辺で死亡した兵士6人の氏名と十字架が刻まれた追悼碑だ。5月、クンドゥズ市内を徒歩でパトロール中に自爆攻撃を受け、死亡した3人の名もある。

 兵士がテーブルを囲む食堂棟。今月7日に撃ち込まれたロケット弾は不発だったが、深くえぐった傷跡を壁に残した。

 シュレーダー前政権は、同時多発テロ(01年9月)を受けた米国に「無制限の連帯」を表明、国内の反対を押し切り01年にアフガン派兵を決めた。現在、国連決議に基づくISAFを中心に約3000人を派兵。治安維持や、軍民が協力し公共施設再建、農業指導などにあたるPRTをクンドゥズなど2カ所で各300人規模で展開する。

 独軍の活動は、小沢一郎民主党代表が提起した「日本のISAF参加」の参考実例とされる。在カブール日本大使館は今週、館員をクンドゥズに派遣、情報収集にあたる予定だ。

 独軍が初めてカブール入りした02年以来、兵士の死者は26人にのぼる。大半は事故死だが、テロや地雷による死者は11人で、増える傾向にある。

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 アフガニスタンでの国際治安支援部隊(ISAF)に関連しては、日本政府が国会に提出した新テロ対策特措法案への対案として、民主党が民生部門への支援を提起。小沢一郎代表は自衛隊の参加も検討対象との見解を示しており、独軍の活動は日本が参加した場合のモデルケースとなり得る。

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まぁこれ↑があってなんでしょうけど、同じく毎日新聞
アフガニスタン 武器など密輸警戒、ISAF参加の独軍
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071023-00000000-maip-int

兵士(奥)が見守る中、アフガン兵司令官(左)に通訳を通じ身分証のチェックを促すドイツ兵(右から2番目)=アフガニスタン北東部クンドゥズ近郊で2007年10月20日、小谷守彦撮影

 【クンドゥズ(アフガニスタン北東部)小谷守彦】アフガニスタン北部の国境地帯で、国際治安支援部隊(ISAF)の一員として派遣されているドイツ軍が、近隣諸国からの武器や麻薬の密輸を警戒するアフガン軍に検問・警備を指導している。軍人と文民が協力してアフガン再建を支援する「地方復興チーム」(PRT)の活動の一環だ。小沢一郎民主党代表が提唱する「日本のISAF参加」の参考例と目されるPRTだが、危険と隣り合わせの活動にも従事している。

 クンドゥズ北方に広がる砂漠。カラシニコフ銃を持ったアフガン兵20人が路上で半径約50メートルの円形陣形を取り、近づく不審者に目を光らせる。トラックと装甲車の上からは機関銃を構える兵士が検問所を監視する。「通行人とボディーチェック係と警護係の3人が一直線になっては駄目。警護係が銃を撃った時にボディーチェック係がけがをしますよ」。指導役のドイツ軍軍曹(28)の声が響く。

 アフガン兵の動きはぎこちない。「彼らは戦士としての実戦経験は豊富だが、数人単位で行動してきた。組織行動は苦手だ」と軍曹。アフガン兵は規定量以上のウオツカを所持していた疑いでロシア人2人を捕らえて警察に引き渡し、検問は約1時間で終了した。

 検問対象は、欧米などの支援でクンドゥズの北方に近く建設される国境道路の利用者だ。ドイツが援助した国境の橋(長さ約700メートル)は年内開通予定で、建設計画は税関事務所などの付属施設を整える最終段階に入っている。

 タジキスタンへ国境を越える交通手段は現在、はしけしかなく、道路開通への住民たちの期待は大きい。タジキスタンから絹や農耕具、建築資材、アフガンから羊毛、馬具、宝石などの流通が見込まれ、中国からの物資流入も期待される。だが、国境での監視活動を徹底しなければ、武器や麻薬の密輸経路にもなりかねない

 米政府の支援関係者は「国境の橋はアフガンだけでなく、中国からパキスタンにつながる新ルートとして地域一帯の経済復興を促す。結果として、米国の対テロ戦争を経済面から支えることになる」と語った

700メートルでタジキスタンアフガニスタン、中国、パキスタンの新ルートになるんですかね。世界地図は http://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/a/aa/WorldMap_ja.png あたりでどうぞ。