パキスタン当局、タリバーン掃討作戦開始 対話路線に変化

http://www.cnn.co.jp/world/CNN200806290004.html

イスラマバード(CNN) パキスタン当局は28日、部族地域でアフガニスタン国境に近い北西辺境州で、アフガンのイスラム強硬派勢力タリバーンの掃討作戦を開始した。こうした軍事作戦は、今年3月の文民政権樹立以来初めて。

パキスタン当局は、北西辺境州のイスラム過激派に強硬姿勢で臨む方針を表明している。軍報道官によると、作戦は過激派の脅威にさらされているとの報告があるペシャワル近郊で始まった。

パキスタン軍は過激派の拠点3カ所を壊滅し、過激派を西方に押しやった。過激派の報復攻撃や死傷者の報告は今のところない。

タリバーンはアフガンからパキスタンに越境して北西辺境州での存在感を強めており、ここ数週間一帯では多数の襲撃事件があった

ゲーツ米国防長官は先日、パキスタンが過激派への軍事作戦に踏み切ることで、アフガン情勢が改善するとの認識を表明。ゲーツ長官は米国防総省で、パキスタン文民政権が過激派との対話路線に転換し、過激派への圧力がなくなるなか、過激派が自由に越境するようになり「米国にとっての問題を作り出している」とコメントした。

北西辺境州は地図上2ですね。ペシャワルはその州都だそうです。

故ブット首相の野党、バロチスタン軍事作戦の中止を要求
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080225/1203943990
から基本的には対話路線かなと思っていたんですが…

産経新聞では、
部族地域で軍事作戦開始 パキスタン、対話方針転換
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/080628/asi0806282047002-n1.htm

2008.6.28 20:45

 パキスタン軍は28日、イスラム武装勢力が実効支配している同国北西部ペシャワル郊外の部族地域で、大規模軍事作戦を開始した。死傷者が出たとの情報はない。

 3月に発足したギラニ内閣が武装勢力との対話路線に転換した後、武装勢力が隣国アフガニスタンに越境し旧政権タリバンに協力する動きを見せており、米国などが批判。方針転換で批判をかわす狙いがあるとみられる

 パキスタン政府側と和平交渉を始めていた部族地域、南ワジリスタン地区の武装勢力指導者ベイトラ・メスード司令官は、ロイター通信に対し「政府が攻撃をやめるまで対話は中止する」と表明、武装闘争を再開する可能性を示唆した。メスード司令官は昨年末のブット元首相暗殺の首謀者とされる。

 部族地域はアフガン国境にまたがる険しい山岳地帯にあり、軍事作戦は難航が予想される。(共同)

しかしメスード(メフスード)司令官がブット元首相暗殺の首謀者というのはどうなんでしょうね。
内務省がブット氏暗殺と15歳少年の関連否定』を書こうと思ったが、複雑すぎる…
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080123/1201096246
にいろいろまとめましたが。ともかくPPPは国連に真相解明要請の予定だったはずですが、

2008/05
パキスタン>国連にブット元首相暗殺の真相解明要請へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080526-00000015-mai-int

 【ニューデリー栗田慎一】パキスタン政府は近く、昨年12月のブット元首相暗殺事件の真相解明を国連に求める要請書を提出する。ブット氏がトップを務めていたパキスタン人民党が3月末に発足した連立政府を主導しており、同党はムシャラフ政権の捜査結果を非難していた。

 大統領は、英ロンドン警視庁を捜査に加え、死因を「自爆テロの爆風で乗用車の車体に頭部を強打したため」と特定。部族地域を拠点にする武装勢力司令官を「事件の黒幕」と名指しした。

 これに対し、人民党は「黒幕は政権内部にいる」と批判、死因も「自爆テロの前の銃撃」と主張している。また、ムシャラフ政権に「黒幕」と名指しされた司令官は、政府が進めている「武装勢力との対話」の重要な交渉相手で、事件への関与を否定している。

まではこの路線は変わってなかったと思うのですが、メスード司令官が犯人じゃないとアメリカが困るので、国連に訴えても結果は変わらないよと暗に言われたんじゃないかとかそういう事を想像してしまいますが。

まぁでも、それだけでは最初の記事「ここ数週間一帯では多数の襲撃事件があった」がどうして起こったのか説明つきませんね。ともかく国連に真相解明要請をこのまましないのであればそれだけで何かあやしいと言う感じはしてしまいますが。