グルジア問題、アブハジアの方が危ないと思ったが、南オセチアに火がつくとは。

バラ革命までさかのぼってるときりが無いので(というかまた相当調べないと分かりそうに無いので)、まずはここから
ロシア、グルジア領に増派 独立派を支援、緊張高まる+米はペルシャ湾に空母追加派遣
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080501/1209598396

 ロシアは、グルジアアブハジアとの境界地域に攻撃準備のため1500人の部隊を配置したと非難。グルジア側はこれを否定し、「ロシアの増派部隊は違法な侵略者と見なす」と激しく反発した。

 両国間の緊張は、4月3日の北大西洋条約機構NATO)首脳会議で、ウクライナと共にグルジアの「将来的な加盟」で基本合意したのを機に急速に高まった。

グルジアとロシアは言ってる事が、いつもかみ合ってないような気がしますが、4月末には
グルジアが戦争準備」=平和維持部隊を増強−ロシア
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080429/1209466243

ロシア国防省も同日、「グルジアアブハジア南オセチア自治州に対し、武力を行使すれば、十分かつ厳しい応答を受けるだろう」と警告。ロシアが2地域に派遣している平和維持部隊の兵力を増強したことを明らかにした。

とあります。

その後もどちらかというとアブハジアの方が問題があるように報道されていたと思います。
<国連監視団>ロシア軍機がグルジア軍機撃墜と結論
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080528/1211976689
アブハジア自治共和国上空でしたし。

ともかくこの平和維持軍ですが、
アブハジア>ロシアの部隊増派方針にNATOが懸念表明
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080502/1209699755

 NATO報道官によると、平和維持軍は約3000人まで増やせることになっているが、部隊派遣はグルジアを含む関係国の了解を得る必要がある

との事です。関係国ですが、多分ロシアも含まれるんでしょう。3000人という数ですが、アブハジアと、南オセチア両方でカウントするんのか、アブハジアだけなのかは分かりませんが、多分南オセチアにロシアが派遣できる部隊にも数に制限があるんだろうと思います。

前に
NATO、露に譲歩案示す…グルジア駐留を事実上容認
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071114/1195055686
というのもありました。その結果が今回の事態なのでしょうか。

で、最近の記事ですが、
2008/08/07のエントリ
グルジア南オセチアで独立派勢力と治安部隊が交戦
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080807/1218122387

インタファクス通信によると、南オセチアを実効支配する独立派政府は、勢力圏内の要衡をグルジア治安部隊が占拠したため、砲撃戦の末に奪還したと主張。一方グルジア側は、グルジア支配地域の村が砲撃されたため反撃したと主張している。

とやはりかみ合っていません。その後は

米、仲介に動く 対グルジア戦 「部隊撤収」露を牽制
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080809-00000062-san-int

 【ワシントン=山本秀也南オセチア自治州での紛争が本格化したことで、国際社会は8日、「紛争当事者の自制を求める」(ペリーノ米大統領報道官)など、事態の沈静化をロシア、グルジア双方に訴えた。しかし、同日未明まで国連安保理で協議された停戦を求める声明案をめぐっては、グルジア政府を支持する米国が「部隊撤収」を掲げて露側を牽制(けんせい)し合意が見送られるなど、紛争解決の糸口は見いだせない状況だ。

 米ホワイトハウスによると、北京五輪の開会式に出席したブッシュ米大統領とロシアのプーチン首相は、8日の昼食会で南オセチア情勢について協議した。

 協議内容は明らかにされていないが、大統領に同行しているペリーノ報道官は、ロシア、グルジア双方と米政府が接触中だと確認。「衝突を抑え、直接対話によって問題解決を図るよう求める」と述べるなど、停戦協議の実現に向けて米側が外交努力を続けていることを示唆した。

 米外交当局者によると、7月中旬にグルジアを訪問したライス国務長官は、南オセチア情勢の緊迫を受けて、「紛争回避による政治解決」を強く要請していた。米国務省は、グルジアの領土主権は支持する構えをみせている。

 北大西洋条約機構NATO)への早期加盟を求めるなど、親米路線を取るグルジアのサーカシビリ政権に対し、米側は同国政府軍の訓練を目的とする米軍の軍事顧問団(約1100人)を最近まで派遣していた。また、イラク派遣部隊の訓練にあたる米軍要員など約120人がなお派遣中という緊密な関係にある。

 米国防総省ホイットマン報道官は8日、グルジアの関係当局と同日接触したことを確認する一方、軍事的な支援要請については否定し、米国による軍事的な関与についての観測を退けた。

 紛争の本格化を受けた国連安保理での協議は、「武力行使の放棄」を掲げるロシアの提案に対し、領土主権の防衛をたてに「自衛の軍事行動」を主張するグルジア側がこの表現に反発。米側がグルジアの意向を受けて問題部分の削除を主張し、協議は8日未明までまとまらなかった。

 ロシア軍戦車部隊の地上侵攻に対し、グルジア側が露軍機を撃墜するなど紛争が拡大していることで、隣接する欧州では事態への懸念が急速に高まっている。

 ロイター通信によると、NATOのデホープスヘッフェル事務総長は8日、「われわれは事態の推移を注意深く見守っている。NATO事務総長として、紛争当事者に戦闘の即時停止と直接対話を呼びかける」との談話を発表した。

 欧州安保協力機構(OSCE)では、フィンランドのスタッブ外相が「紛争地域が本格的な戦争状態に陥る危険をはらんでいる」との情勢認識を示すなど、欧州域内の懸念はさらに広がる気配をみせている。

【関連記事】
グルジア南オセチアに開戦 露と本格戦争の懸念拡大
南オセチアの戦闘中止を要請 NATO
・露声明案協議も採択できず 南オセチア問題で国連安保理
グルジア南オセチアに開戦 州都制圧へ激しい攻撃
・露の情報収集艦 沖縄東方海上で活動

この軍事顧問団調べてみると、やはり対テロ戦争がらみで、前からいたようなのですが、規模や撤退時期は他の報道からは分かりませんでした。この軍事顧問団撤退が、今回の紛争の直接的原因?とか思ってしまったのですが、どうなんだか分かりません。また後で軍事が得意な友人に聞いてみようかと。

あと気になるのは、このブログでも何度か言ってますが、グルジアはBTCパイプラインの通り道で、アメリカや日本など、ともかくパイプラインがロシアを通ってる事がいやな国は依存してると思うのですが、これが今ちょうど止まってるんですよね。で、港の備蓄分を出荷してるとか。
トルコ東部で主要石油パイプラインが爆発し送油が停止、原油相場が上昇
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080806/1218029003
深読みすると一瞬グルジアの安定がBTCパイプラインに影響を及ぼさなくなった隙に欧米が、邪魔なロシアを追い出す口実を作ろうと、仕掛けた…とか考えすぎですよね。

まぁ平和的解決を図ろうと、国連安保理アメリカ、NATOEU、全欧安保協力機構(OSCE)など色々と動いてるようですが、安保理だけでも書いておきますか。

一回目の協議
米ロ対立で紛糾、声明出せず=南オセチア紛争で安保理
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080808-00000141-jij-int

 【ニューヨーク8日時事】南オセチア紛争の再燃を受け、国連安保理は8日未明(日本時間同日午後)まで、双方に戦闘停止を求める声明案について協議した。しかし、グルジア政府に好意的な米国などと、南オセチア分離派政府を支持するロシアが対立し、合意に至らなかった。

 ロシアが提示した報道機関向け声明案は、「流血の惨事を直ちに中止し、武力行使を放棄するよう当事者に求める」としていた。しかし、「自衛的な軍事行動」を主張するグルジア政府が「武力行使の放棄」の表現に難色を示し、米国などが削除を求めて紛糾した。 

【関連ニュース】
・〔ビジュアル解説〕緊迫するグルジア南オセチア情勢
南オセチア州都に進攻=村を空爆、住民15人死亡-グルジア
・本格議論にはなお時間か=対イラン制裁、中ロの抵抗必至-安保理
・見返り案に回答せず=核問題でEUに書簡-イラン
・大統領の訴追凍結、将来議題に=スーダンPKO延長、米棄権-安保理

他の報道によると、アメリカだけでなく欧州もグルジアよりだったようですが。たしかにグルジアはロシアが増派していた時点ですでに侵略だと言っていましたから、武力行使の権利は放棄したくないんでしょうね。しかし武力行使の放棄に難色を示したというと、いかにも体面が悪い気がしますが、他の報道だと「グルジアの自衛である」と書いていないのもありました。

で、再開して二回目の協議。
安保理、再び物別れ=ロシアとグルジアが応酬−南オセチア紛争
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080809-00000061-jij-int

 【ニューヨーク8日時事】国連安保理は8日、未明に打ち切ったグルジア南オセチア自治州紛争に関する協議を再開し、「これ以上の暴力・武力行為」の停止を求める声明取りまとめに向け交渉を続けた。しかし、南オセチア分離派政府を支持して軍事介入に踏み切ったロシアと、グルジア政府に好意的な米国の主張が折り合わず、再び物別れに終わった。

 交渉ではロシアが、グルジア政府軍進攻前の状態を直ちに回復すべきだと主張。米国などは、ロシアを含む全当事者が「即時停戦」に同意することが先決との立場で、議論がまとまらなかった。安保理は9日も協議を続ける

【関連ニュース】
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・〔写真ニュース〕分離派を攻撃する政府軍ヘリ=グルジア

このロシアの主張を見ると二回目の時は戦況がグルジアに有利だったんでしょうね。で、アメリカも今度は強く出た。という風に見えます。まぁ安保理は今日も協議するらしいですから、その結果によっては、また書こうかと。