<ミャンマー>「ワ州連合軍」国軍帰順拒否 戦闘の可能性も

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091127-00000074-mai-int

 【バンコク西尾英之】ミャンマー最大の少数民族武装組織「ワ州連合軍」が、軍事政権が求める「国軍への完全帰順」を拒否する方針を確認した。政権側はワ軍への説得を続けるとみられるが、最終的にワ軍が従わない場合、国軍が攻撃して大規模な戦闘に発展し、隣接するタイや中国への大規模な難民流出につながる恐れがある

 情報筋によると、ワ軍は今月18日から数日間、拠点とする北東部シャン州の町パンサンで、同州のモンゴラを拠点とする別の武装組織「東部シャン州民族民主同盟軍」と会合を持った。両組織は「武装組織の国境警備隊への編入」について、警備隊への移行ならば受け入れるものの、組織を国軍支配下に置く「編入」は拒否することで一致。さらに「侵攻を受ければ一致して『領土』と住民を守る」とし、国軍から攻撃を受けた場合は協力して抗戦する姿勢を明確にした。

 2万人以上の兵力を維持するワ軍はミャンマー最大の少数民族武装組織同盟軍の兵力は3000〜4000人とされる。

 軍事政権にとって、停戦合意は結んでいるものの武装解除に応じないワ軍など少数民族武装組織の存在は、民主化勢力と並んで国内
の最大の不安定要因。来年の総選挙を前に少数民族を翼賛体制に完全に取り込みたい政権は、各民族組織に対し
(1)自治組織を政党化して総選挙に参加する
(2)武装組織の事実上の武装解除となる「国境警備隊への編入」−−を要求してきた。

 情報筋によると軍事政権は今月24日、今年最後となる最高レベルの幹部会議を開催し、今年末までワ軍からの回答を待つとの姿勢を決めた。政権はワ軍が説得に従わない場合、年明けにも攻撃に踏み切る可能性がある。

 ◇ことば・ミャンマー少数民族武装組織

 ミャンマーの人口はビルマ族が約3分の2を占め、ほかは約130に上る少数民族。1948年の英国からのビルマ(当時)独立後、多くの少数民族武装組織が、独立や高度の自治を求めて政府軍と交戦。現在の軍事政権は89年から各組織と和平交渉を進め、主要な17組織と停戦協定を締結したとされる。

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この件については
ミャンマーに在留中国人の権益保護を要求
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20090928/p7
で、シャン州コーカン地区の問題とワ軍の問題としてとりあげました。中国はコーカン地区の在留中国人の権益保護は主張していましたが、それ以上の影響力を行使しようとするでしょうか。