「ミリタリー・バランス2011年版」微妙に報道の内容が違うが…。

まず中国。産経新聞から。
中国海軍、西太平洋の制海権確立狙う 英国際戦略研 

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110308/chn11030817480003-n1.htm

2011.3.8 19:30

 【ロンドン=木村正人】英シンクタンク、国際戦略研究所(IISS)は8日、世界の軍事力を分析した年次報告書「ミリタリー・バランス2011」を発表した。この中で中国海軍は中・長期的にアフリカ・ソマリア沖の海賊対策や空母建造計画で外洋に進出する能力を高める一方、喫緊の課題として米第7艦隊が支配する西太平洋で制海権を確立するための能力向上に全力を挙げていると指摘した。

 報告書によると、中国はウクライナから購入した旧ソ連製の空母「ワリャーグ」の改修を大連港で続け、国内2カ所にワリャーグとそっくりの飛行甲板や艦橋、傾斜路を設けた訓練施設を建設している。ただワリャーグは老朽化し、推進力と操舵性に乏しいことから発着訓練や技術取得に使われると分析している。

 中国は空母建造計画を明らかにしていないが、米国防総省の年次報告書は2020年までに空母数隻が就航する見通しとしている。

 中国は海賊対策でソマリア沖に駆逐艦や補給船、ドック型揚陸艦を派遣、さらに空母建造計画を進めることで外洋への進出能力を高めているが、中国は当面、台湾や東シナ海南シナ海で軍事的プレゼンスを増すため演習や軍事施設の建設計画、装備調達を進めると報告書は分析している。

 中国は台湾海峡で有事が発生した場合、米第7艦隊の介入を防ぐため、米空母を阻む新型中距離ミサイルや対艦弾道ミサイル(ASBM)の整備・開発を急いでいる。報告書は中国の軍事力は急激に増強されており、西側の武器禁輸措置は継続されると分析する。

 ステルス能力を備えた米第5世代戦闘機F22に対抗し中国が開発した「殲20」については、欧州の共同開発機ユーロファイターなどと同じ第4・5世代にとどまると指摘した。

で、読売新聞
中国への軍事強化懸念、東アジア以外に拡大

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110308-00000881-yom-int
 【ロンドン=鶴原徹也】英国際戦略研究所(IISS)は8日、世界約170か国の軍事力や地域情勢を分析した「ミリタリー・バランス2011年版」を発表した。この中で中国の軍事力強化への懸念が東アジア地域以外にも広がっていると指摘した。

 特に海軍力については、中国は08年にソマリア沖に海賊対策で駆逐艦2隻と補給船を派遣した後もこの地域に小艦隊を維持し続けているほか、海上給油・補給の訓練も重ねており、遠方での展開力を強化していると言及。

 大連港で改修が進む旧ソ連設計の中型空母ワリャーグ」については10年後半に近接防御火器システムを搭載しており、中国が主張するように訓練用だけではなく、作戦任務を帯びる可能性もあると分析した。

あとまた産経新聞になりますが、毎度言われている国防費についてです。
中国の軍事産業、最高益に 国防予算は公表の2倍超 英戦略研が分析

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110308/chn11030822110007-n1.htm
2011.3.8 22:10

 英国の有力シンクタンク国際戦略研究所(IISS)は8日、各国の軍事力や地域情勢を分析した報告書「ミリタリー・バランス2011」を発表。中国は欧米との技術力の差を縮め、08年の軍事産業全体の利益は過去最高の67億5千万ドル(約5560億円)に上ったと推計した。

 中国政府発表の09年の国防予算は4807億元(約6兆円)だが、研究開発費などを加えた独自推計では6718億元と約1・4倍。購買力平価でドル換算すると1662億ドル(約13兆7千億円)と公表値の2倍超に膨らんだ人民解放軍の旺盛な調達が同産業の収益を支えているという。

 軍事産業によるパキスタン、エジプト、ナイジェリアなどへの軍装備品の販売が成功しているほか一部軍事企業は鉱物資源の取引を通じアフリカや中央アジア諸国との武器販売を発展させているとした。(共同)

次に北朝鮮です。時事通信から。
大量破壊兵器を拡散=北朝鮮兵力は下降か―ミリタリー・バランス

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110308-00000139-jij-int
 【ロンドン時事】英国際戦略研究所(IISS)は8日、国際軍事年鑑「ミリタリー・バランス」(2011年度版)を公表し、北朝鮮が核関連技術のほか、弾道ミサイル化学兵器といった大量破壊兵器を拡散させていると指摘した。また同国は4〜8発の核弾頭を製造可能なプルトニウム保有していると分析している。

 年鑑によると、北朝鮮は考えられるあらゆる種類の化学兵器保有しており、その量は2500〜5000トンに上る。また、生物兵器戦に関する調査計画を活発に進めていると警鐘を鳴らした。

 一方で、北朝鮮軍の通常兵力の能力はソ連崩壊後の北朝鮮経済の窮状を受けて、過去20年にわたって下降を続けていると述べている。

 さらに北朝鮮軍の人員は、陸海空および特殊部隊などを合わせ、中国、米、インドに次いで世界で4番目の規模になると位置付けた。北朝鮮の推計人口2400万人のうち約5%が現役部隊の軍務に従事しているという。

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北朝鮮、大量の化学兵器保有か 英国際戦略研

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110308/kor11030820320007-n1.htm
2011.3.8 20:31

 英国際戦略研究所(IISS)が8日発表した「ミリタリー・バランス2011」は、北朝鮮が2500〜5千トンの化学兵器保有している可能性があると指摘。ウラン濃縮計画も進めており、警戒が必要だとしている。

 朝鮮人民軍の最近の重要な変化の一つとして、敵のコンピューター網を破壊し、指揮系統を無力化する能力が向上していると説明。紛争が起きた場合、北朝鮮のシステムを防衛する目的のほか、韓国や米国、日本を攻撃するために、使用されるだろうとしている。

 また同軍は、4〜8個の核弾頭を製造するのに十分なプルトニウム保有しているとみられるとしている。(共同)

まぁ一番悪く書かれている部分を想定して防衛を考えるのがベストだと思いますけどね。